雨の日のテニス、その「足元の不快感」に終止符を打つ
どんよりとした曇り空、降り始めた小雨。あるいは、前日の雨をたっぷり含んだ「重い」クレーコート。テニスプレーヤーなら誰しも、シューズが水を吸い込み、重くなった足取りでボールを追う辛さを経験しているはずです。
「せっかくの練習を休みたくないけれど、靴下がびしょ濡れになるのは耐え難い」。そんなあなたのために、現役プレーヤーの視点から、テニスシューズの防水事情と、過酷な環境を切り抜けるための最適解をまとめました。
なぜ「完全防水」のテニスシューズは見当たらないのか?
登山靴や長靴とは異なり、市販のテニスシューズに「完全防水」を謳うモデルはほとんどありません。その理由は、テニス特有の激しい動きにあります。
テニスは想像以上に足裏から汗をかきます。もし完全な防水膜で覆ってしまうと、外からの水は防げても、中の湿気が逃げ場を失い、結局「自分の汗で足が蒸れて水没状態」になってしまうのです。そのため、メーカーは「防水性」よりも「通気性」を優先する傾向にあります。
しかし、素材選び次第で、雨や泥への耐性は劇的に変わります。
濡れに強いシューズを見極める3つのポイント
1. アッパー素材は「人工皮革」一択
メッシュ素材が多用されているモデルは軽量ですが、水に対しては無防備です。小雨程度なら弾いてくれる人工皮革(シンセティックレザー)をメインに使用したシューズを選びましょう。
2. オムニ・クレー専用モデルの構造に注目
オムニ・クレー用シューズは、砂の侵入を防ぐためにアッパーの継ぎ目が少ない設計になっていることが多く、これが結果的に水の侵入を遅らせる防波堤となります。
3. 具体的なおすすめモデル
耐久性と撥水性能に定評があるのがアシックス ゲルレゾリューションです。アッパーがしっかりとした樹脂パーツで覆われており、泥汚れも拭き取りやすいのが特徴です。また、フィット感と保護性能のバランスが良いヨネックス パワークッション エクリプションも、濡れたコートでの安定感に優れています。
手持ちのシューズを「防水仕様」に変えるプロの知恵
新しい靴を買わなくても、今ある相棒を強化する方法があります。私が長年実践して、最も効果が高かった2つのアプローチをご紹介します。
魔法のひと手間:防水スプレーの「重ねがけ」
多くの人が誤解していますが、防水スプレーは「雨が降りそうだから直前にかける」ものではありません。新品の状態、あるいは汚れを落とした後の乾燥した状態で、アメダス 防水スプレーのような高品質なものを2~3回重ねがけしてください。
一回スプレーしたら乾かし、またスプレーする。この層を作ることで、驚くほど水滴が玉のように転がり落ちるようになります。
究極の最終手段:防水ソックスの導入
「シューズが濡れるのを防ぐ」のではなく「足に水を通さない」という逆転の発想です。DexShell 防水ソックスを使えば、たとえシューズの隙間から水が入っても、中の靴下や足先は完全にドライなままです。少し厚みは出ますが、冬場の冷たい雨の中でのプレーには欠かせない必需品です。
泥だらけになった後の「寿命を延ばす」メンテナンス
雨のプレー以上に重要なのが、その後のケアです。濡れたまま放置すると、シューズの接着剤が剥がれる「加水分解」を早め、最悪の臭いを引き起こします。
- 泥をすぐに落とす: 乾いて固まると素材を傷めます。
- 水分を吸い取る: 中敷きを抜き、シリカクリン 激取りMAXのような強力な乾燥剤を入れるか、新聞紙を詰めてください。
- 日陰で風を通す: 直射日光は厳禁です。素材が硬くなり、ひび割れの原因になります。
雨の日のテニスは、環境が厳しい分、フットワークの練習や集中力を高める絶好の機会でもあります。適切なギアとメンテナンスで、不快な「グチョグチョ」から解放され、どんな天候でも自信を持ってコートに立ちましょう。


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