テニスの試合当日、会場で「そのウェア、ロゴが大きすぎるから着替えてください」と審判に指摘され、慌てて売店に走り慣れないウェアを買うことになった……。そんな苦い経験を持つ選手を、私はこれまで何度も見てきました。日頃の練習の成果を出し切る場所で、ウェアのトラブルほど集中力を削ぐものはありません。
試合用ウェア選びには、練習着とは全く異なる「勝利のための基準」が存在します。日本テニス協会(JTA)のルールを完璧にクリアしつつ、酷暑や長時間のラリーでもパフォーマンスを落とさないための一着をどう選ぶべきか。私の競技経験と、現役プレーヤーたちの声を元に徹底解説します。
1. 試合の合否を分ける「服装規定」の壁
公式戦に出場するなら、まず避けて通れないのがJTA(日本テニス協会)のルールです。練習ではお気に入りのナイキやアディダスの大きなロゴ入りTシャツを着ていても、試合では「ロゴの面積は13平方センチメートル以内」といった細かい規定に縛られます。
特に注意したいのが、最近流行りの派手なグラフィックモデルです。デザイン性が高くても「ITF(国際テニス連盟)公認」でない場合、審判の判断で着用不可となるリスクがあります。初心者のうちは、あらかじめ「JTA公認」のタグがついたヨネックスやアシックスのゲームシャツを選んでおけば、まず間違いありません。
2. 「ただの速乾」では足りない。勝負を左右する機能性
試合が3セットマッチに及ぶと、ウェアの重さが如実に体力を奪います。汗を吸って重くなったシャツが肌に張り付く不快感は、サーブのトスアップを狂わせる原因にもなります。
私が勝負服として信頼しているのは、バボラやフィラのハイエンドモデルです。これらは単に乾きが早いだけでなく、肩周りのカッティングがサーブの動きを一切邪魔しないよう設計されています。また、レディースのスコートやワンピースなら、インナースパッツの「ボールの取り出しやすさ」が重要です。セカンドサーブまでの数秒間、ボールをスムーズに取り出せるかどうかが、リズムを崩さないコツと言えます。
3. モチベーションを支配する「プロモデル」の力
「形から入る」ことは、メンタルスポーツであるテニスにおいて正義です。ラコステを纏ってジョコビッチのような鉄壁の守備をイメージする、あるいはルコックスポルティフの洗練されたデザインで華麗なネットプレーを目指す。自分のプレースタイルに憧れの選手の姿を重ねることで、苦しい場面での粘りが変わります。
ジュニア選手であれば、憧れの選手と同じダンロップのウェアを着るだけで、コートに立つ姿勢が驚くほどシャキッとするものです。
4. 季節と環境に応じた「二の矢」を持っておく
屋外コートの試合では、予備のウェアを必ず3着はバッグに忍ばせておきましょう。夏の猛暑日、ミズノの接触冷感インナーを中に仕込むだけで、体感温度は劇的に変わります。逆に冬場の待ち時間には、デサントの軽量ダウンやブレーカーで筋肉を冷やさない工夫が必要です。
まとめ:最高の一着が自信を加速させる
テニスウェアは単なる服ではなく、あなたと共に戦う「ギア」です。ルールの不安を取り除き、身体機能を最大限に引き出してくれるプリンスやエレッセのような信頼できる一着を見つけたとき、あなたの意識は100%ボールだけに集中できるようになります。
次の大会、あなたはどのウェアで勝利の瞬間を迎えますか?


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