「陸上競技を始めるなら、まずはアシックス」——指導者や先輩からそう言われた経験はありませんか?私自身、中学の入部初日にスポーツ店の棚に並んだ青いロゴのシューズを手に取った時の、あの独特のナイロンの匂いと高揚感を今でも鮮明に覚えています。
日本人の足型を数十年にわたり研究し尽くしてきたアシックスのスパイクは、単なる道具以上の「信頼」があります。しかし、いざ選ぼうとすると、最新のカーボン搭載モデルから土トラック兼用まで、その種類の多さに圧倒されてしまうのも事実です。
今回は、自身の競技経験と最新のトレンドを踏まえ、後悔しないアシックス製スパイクの選び方を徹底的に深掘りします。
なぜ、私たちは「アシックス」を履き続けるのか
多くのランナーが最終的にアシックスに戻ってくる理由は、圧倒的な「吸い付くようなフィット感」にあります。海外ブランドにありがちな「土踏まずの浮き」や「かかとのズレ」が少なく、全力で地面を蹴り出した時のパワーロスが極めて小さいのです。
特に近年のMETASPEEDシリーズに代表される厚底・カーボン技術の進化は目覚ましく、かつての「真面目で堅実」というイメージから、「世界を獲るための最先端ギア」へと変貌を遂げました。
【種目別】あなたの限界を突破する厳選スパイク
短距離(100m〜400m):1秒を削り出す爆速ギア
短距離選手にとって、スパイクはもはや体の一部です。
圧倒的な反発を求めるなら、METASPEED SPが筆頭候補。初めて足を通した瞬間、勝手に足が前に出るような感覚に驚くはずです。
一方で、プレートの硬さに脚が負けてしまう不安があるなら、CYBERBLADE HFをおすすめします。適度な柔軟性があり、ハードル種目やコーナー走行が必要な200m・400mでも、最後まで足が「売り切れ」ずに走りきれる安心感があります。フラットな接地感で重心移動をスムーズにしたいなら、JETSPRINT 2の右に出るものはありません。
中長距離:軽さと推進力のパーフェクトバランス
800mから10000mまで、中長距離は「いかにエネルギーを温存し、ラストスパートに繋げるか」が勝負。
METASPEED LD 2は、ピンレス構造という革命的な設計で、長距離での接地ストレスを劇的に軽減してくれます。
トラックの感触をダイレクトに感じて、ピッチで攻めたい選手にはCOSMORACER MDやCOSMORACER LDが根強い人気。薄底ながらもしっかりとした反発があり、自分の足で走っている感覚を大切にする選手に愛されています。
フィールド種目:一瞬の爆発力を支える専用設計
跳躍や投擲は、一箇所に凄まじい負荷がかかります。
LONG JUMP PRO 3(走幅跳用)やJAVELIN PRO 3(やり投用)など、アシックスのフィールド専用モデルは、その耐久性とホールド力が段違いです。踏み込みの一瞬、足首がグラつかない安定感は、記録更新への大きな武器になります。
初心者が最初に選ぶべき「魔法の1足」
「まだ種目が決まっていない」「土のグラウンドでも練習する」
そんな部活生にとっての正解は、間違いなくEFFORT 13です。
私自身、最初のスパイクはこれでした。どんな種目にも対応できる汎用性と、毎日の練習に耐えうる頑丈さ。まずはこのスパイクで陸上の基礎を学び、自分の得意種目が見えてきたら専用モデルへ移行するのが、最も賢く、故障も少ない王道ルートです。
少し欲を出してスピード練習を取り入れたい中級者なら、HEATSPRINTを選んでみてください。プレートの剛性が上がり、スピードの「ノリ」が一段階変わるのを実感できるはずです。
失敗しないための「アシックス流」フィッティング術
アシックスのスパイクを選ぶ際、最も注意すべきは**「足幅(ラスト)」**です。
多くのモデルで「STANDARD」「WIDE」「SLIM」が展開されています。「いつも26.5cmだから」とサイズだけで決めず、必ず実際に履いて、以下の3点を確認してください。
- かかとのホールド感: 浮きがないか?
- 指先の遊び: 5mm程度の余裕があるか?(詰めすぎは爪下血腫の原因になります)
- 土踏まずのフィット: プレートのカーブと自分の足裏が一致しているか?
特にMETASPEEDシリーズのような高機能モデルは、フィッティング次第でパフォーマンスが180度変わります。
まとめ:その1足が、新しい景色を見せてくれる
アシックスの陸上スパイクは、ただの靴ではありません。あなたの努力を地面に伝え、1cmでも遠く、0.01秒でも早くゴールへ導くためのパートナーです。
自分の走りのスタイル、現在の脚力、そして「こうなりたい」という目標。それらを照らし合わせて選んだ1足は、必ずあなたの背中を押してくれます。次の大会、トラックのスタートラインに立つ時、その足元にあるのが信頼のアシックスであれば、あとは自分を信じて飛び出すだけです。
この記事が、あなたの自己ベスト更新を支える最高の一足との出会いになれば幸いです。
こちらのスパイクに合わせる「おすすめの交換ピン」や、長持ちさせるためのメンテナンス方法についても詳しくご紹介しましょうか?


コメント