長年、私のランニングライフを支えてくれている「カヤノ」シリーズ。その最新作となるASICS GEL-KAYANO 32がついに登場しました。これまで歴代のモデルを履き潰してきた一人のランナーとして、今作がどのように進化したのか、実際にロードを走り込んだ体感をもとにその正体を解き明かします。
最初の数歩で感じた、異次元の安定性と「優しさ」
ASICS GEL-KAYANO 32に足を入れた瞬間、まず驚かされたのは包み込まれるようなフィット感です。前作のGEL-KAYANO 31も素晴らしい完成度でしたが、今作はアッパーの素材がより柔軟になり、足の動きに吸い付くような感覚が増しています。
実際に走り出すと、カヤノの代名詞である「4D GUIDANCE SYSTEM」の恩恵をダイレクトに感じました。疲労が溜まってフォームが崩れ始める後半戦でも、シューズが勝手に着地をニュートラルへ導いてくれるような感覚。この「強制されている感」のない自然なサポートこそが、GEL-KAYANO 32の真骨頂と言えるでしょう。
膝を守るクッション性は、さらに「跳ねる」方向へ
特筆すべきはミッドソールの進化です。今作で採用された新設計のクッション材は、単に柔らかいだけでなく、地面を蹴り出す際のエネルギーリターンが格段に向上しています。
「カヤノは安定するけれど少し重たい、あるいはもっさりしている」という過去のイメージを抱いている方にこそ、このASICS GEL-KAYANO 32を試してほしい。膝への衝撃は最小限に抑えつつも、次の一歩がポンと前に出る軽快さは、もはや完走目的の初心者だけでなく、サブ5、サブ4を目指すランナーのトレーニングシューズとしても一級品です。
どんなランナーがGEL-KAYANO 32を選ぶべきか
正直なところ、1秒を削り出すエリートランナーのレース用には向きません。しかし、以下のようなシーンではこれ以上の選択肢はないと断言できます。
- フルマラソン完走を目指す初挑戦の方: 42kmの衝撃から足を守り抜くタフさがあります。
- オーバープロネーションに悩む方: 内側への倒れ込みを抑え、怪我のリスクを軽減します。
- 週末のLSD(ロング・スロウ・ディスタンス)を楽しみたい方: 20km、30kmと距離を延ばしても、足の疲れ方が全く違います。
結論:これは「安心」を買うための投資である
最新のASICS GEL-KAYANO 32は、歴代モデルが積み上げてきた信頼を裏切らない、正統進化を遂げた一足でした。価格は決して安くはありませんが、怪我をせずに走り続けられること、そして走ることが楽しくなる体験を考えれば、十分に価値のある投資です。
迷っているなら、まずは足を通してみてください。その瞬間、次のランニングが待ち遠しくなるはずです。
「走る」という行為を、もっと自由に、もっと遠くへ。それを叶えてくれるのが、このGEL-KAYANO 32という相棒なのです。


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