テニスを始めたばかりの頃、ショップの店員さんやスクールのコーチが話す「スロートのしなりが〜」や「フェイスサイズが〜」といった言葉に、戸惑った経験はありませんか?
実は、テニスラケットの各パーツの名前を知ることは、単なる暗記ではありません。それぞれの部位が「ボールの飛び」や「腕への衝撃」にどう関わっているかを理解することで、自分にぴったりの一本を見つけ出す「最高の武器選び」ができるようになるのです。
今回は、現役プレーヤーの視点から、名称とあわせてその役割をリアルな体感を交えて解説します。
1. ラケットの「顔」が決める飛びのルール:ヘッド(フェイス)
まずはボールを打つ面、**ヘッド(フェイス)**です。ここには、プレーの質を左右する重要なパーツが詰まっています。
フェイスサイズ
打球面の面積です。一般的には100平方インチが基準ですが、私が以前、95平方インチの競技者向けモデル Wilson プロスタッフ を使ったときは、芯を外した瞬間にボールが飛ばず、手のひらに強烈な振動が走ったのを覚えています。逆に100平方インチ以上のモデルは、少々芯を外してもラケットが助けてくれる「寛容さ」があります。
ストリングパターン
縦と横の糸の本数です。16×19(粗め)はスピンがかかりやすく、18×20(細かめ)はボールを潰してコントロールする感覚が強くなります。スピンをグリグリにかけたいなら、まずは粗めのパターンを選ぶのが正解です。
グロメットとバンパー
ストリングを通すプラスチックのパーツがグロメット、先端を保護するのがバンパーです。
これらは消耗品です。「最近ガットが切れやすいな」と感じたらグロメットが割れているかもしれません。また、バンパーが削れてフレームが見えてしまうと、ラケットの寿命を縮めます。地面を擦るような低い球を拾うプレーヤーほど、こまめなチェックが必要です。
2. 打球感の心臓部:シャフト(スロート)
ヘッドとグリップをつなぐ「首」にあたる部分が**シャフト(スロート)**です。ここはラケットの「しなり」を司る、いわば打球感の心臓部です。
ヨーク(ブリッジ)
フェイスの下部、V字に分かれている付け根の部分です。ここがしっかりしていると、ボレーなどの面安定性が高まります。
フレーム厚の体感差
シャフトの厚み(フレーム厚)は、飛びに直結します。
- 厚いラケット(26mm以上): Babolat ピュアドライブ に代表される「厚ラケ」は、当てただけでボールが弾き飛ばされるような爽快感があります。非力な方や、楽に深い球を打ちたい方に最適です。
- 薄いラケット(22mm以下): 自分の力でスイングし、ボールを面に「乗せて運ぶ」感覚が強くなります。しっかり振り抜きたい上級者が好む形状です。
3. 唯一の接点:ハンドル(グリップ)
最後に、プレーヤーが唯一直接触れる**ハンドル(グリップ)**です。
ベベル(八角形の面)
グリップをよく見ると、綺麗な八角形になっています。この角のひとつひとつをベベルと呼びます。
ボレーの時に「コンチネンタルグリップ」に素早く握り替えられるのは、指の腹でこのベベルを感じ取っているからです。オーバーグリップを何重にも巻いて太くしすぎると、この角が丸くなり、繊細な操作ができなくなるので注意しましょう。
エンドキャップ
グリップの底にある太い部分です。
私は小指をこのエンドキャップに少し引っ掛けるようにして握りますが、こうすることでスイング時に遠心力が使いやすくなり、サーブのヘッドスピードが劇的に上がった経験があります。
まとめ:名称を知れば、道具は「相棒」になる
「フェイスを大きくして楽をするか」「シャフトをしならせてコントロールを重視するか」。
名称とその役割を理解すると、カタログのスペック表がただの数字の羅列ではなく、自分への招待状のように見えてくるはずです。
次にテニスショップへ行く際は、ぜひ ヨネックス イーゾーン や ヘッド ラジカル などを手に取り、今回紹介した各パーツの造形を見比べてみてください。その「違い」こそが、あなたのテニスを進化させるヒントになるはずです。
次にこのラケットを使って、どのような練習から始めたいですか?レベルに合わせた具体的な練習メニューの提案も可能です。


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