「カタログの重さは同じなのに、実際に振ってみると全然違う……」
テニスラケット選びで、誰もが一度はぶつかる壁がこの「違和感」です。その違和感の正体こそが、バランスポイント。今回は、数値上の知識だけでなく、私が数多のラケットを振り込んできた中で感じた「リアルな打感の差」を交えて、あなたに最適な一本の見つけ方を解説します。
そもそもバランスポイントとは?数値が教える「性格」
バランスポイントとは、ラケットの重心がグリップエンド(手元の端)から何ミリの位置にあるかを示す数値です。
一般的に、テニスラケットは以下の3つに分類されます。
- トップヘビー(330mm以上):重心が先端寄り。遠心力が効きやすい。
- イーブン(320mm前後):操作性とパワーの中間地点。
- トップライト(310mm以下):重心が手元寄り。ラケットを素早く動かしやすい。
ここで面白いのが、重量との関係です。例えばヨネックス VCORE 100のような300gのラケットでも、バランスが数ミリ変わるだけで、まるで別物のようにスイングの質が変わります。
【体験比較】トップヘビー vs トップライト:振って分かった決定的な違い
私が実際にコートで打ち比べた際の、生の声をお届けします。
トップヘビーを打った時の感覚
ダンロップ LX 1000のような軽量トップヘビーのモデルを試した際、まず驚いたのは「ラケットが勝手に仕事をしてくれる」感覚です。
- ストローク: 軽いスイングでも、遠心力によってヘッドが自然に走り、ボールが深い位置まで押し込まれます。
- デメリット: ネット際での咄嗟のボレーでは、ヘッドの重さが一瞬の遅れを生むことがありました。
トップライトを打った時の感覚
一方で、ウィルソン PRO STAFF 97のようなトップライト設計の競技者向けモデルは、対極の操作性を持っています。
- 操作性: 「自分の手の一部」のような感覚です。サーブの回内運動や、ボレーの角度をつける動きが面白いほど決まります。
- デメリット: 相手の速い球に対して、自分からしっかりスイングして「パワーをぶつけにいく」意識がないと、当たり負けしてボールが浅くなってしまいました。
プレースタイル別:後悔しない選び方の基準
実際に多くのラケットを使い込んできた経験から、以下のタイプ分けをおすすめします。
1. 楽に深く飛ばしたい「初中級者・女性」
パワー不足を道具で補うのが賢い選択です。トップヘビー寄りの設定なら、ゆったりしたスイングでも飛距離が出ます。まずはバボラ ピュアドライブのような、パワーバランスの取れた黄金スペックから試すのが王道です。
2. 攻めのストロークを極めたい「ハードヒッター」
イーブンからややトップライトが扱いやすいでしょう。自分のスイングスピードを最大化できるため、重い回転をかけた「エッグボール」が打ちやすくなります。
3. ボレーで仕留めたい「ダブルス中心プレーヤー」
迷わず操作性重視のトップライト寄りを選んでください。目まぐるしいボレーボレーの展開では、この「数ミリの重心の差」がミスを減らす鍵になります。
自分の「黄金バランス」へ導くカスタマイズ
もし今のラケットが「もう少しパワーが欲しい」あるいは「操作性を良くしたい」と感じるなら、ヨネックス 鉛テープなどのリードテープで調整するのも手です。
- 先端(12時方向)に貼る: トップヘビー化し、破壊力がアップします。
- グリップ内に貼る: 全体の重さは増しますが、操作性はトップライト寄りになり、振り抜きがシャープになります。
私自身、新しいラケットを買うたびに数グラム単位で調整しますが、たった3gの鉛で「別次元の振り心地」に化けるのがテニスの奥深いところです。
まとめ:数値を超えた「振り抜き」の心地よさを
バランスポイントは、スペック表の中でも特に「プレーの質」に直結する項目です。しかし、最終的な正解はあなたの筋肉量やスイングの癖によって決まります。
ショップでヘッド SPEED MPなどの人気モデルを手に取る際は、ただ重さを確認するだけでなく、軽くシャドウスイングをして「ヘッドがどこにあるか」を感じ取ってみてください。その直感こそが、あなたのテニスを進化させる「黄金バランス」への近道です。
「このラケット、自分に合っているかも?」というワクワク感を大切に、最高の一本を選び抜きましょう。
さらに詳しいラケットごとのスイングウェイトの違いや、具体的なカスタマイズ方法についても解説できますが、まずは気になるモデルの数値をチェックしてみませんか?


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