「98インチと100インチ、たった2インチの差で何が変わるの?」
「大きい方が楽だと言うけれど、コントロールが効かなくなるのは嫌だ」
テニスラケットを選ぶ際、最も頭を悩ませるのが「フェイスサイズ(面の大きさ)」ではないでしょうか。カタログスペック上の数値を眺めていても、実際のコートでボールを打った時の感覚までは分かりません。
今回は、数々のラケットを使い込んできた筆者のリアルな体験談を交え、面の大きさがプレーに与える「真の影響」を深掘りします。
フェイスサイズ別:打球感と操作性の「リアルな違い」
一般的なスペック解説に加え、実際にコートで打ち比べた際に感じる「生の声」をまとめました。
| フェイスサイズ | 主な対象 | 体験としての特徴(打球感・操作性) |
| 95〜97インチ | 上級・競技者 | 「バシッ」と芯を食った時の爽快感は最強。ただし、オフセンターで打つと手に衝撃が走り、ボールが全く飛ばないシビアさがあります。 |
| 98インチ | 中上級 | 振り抜きが良く、スイングスピードを上げやすいのが特徴。自分の力で叩いている感覚が強く、コントロールの精密さが一段階上がります。 |
| 100インチ | 初中級〜上級 | いわゆる「黄金スペック」。最もバランスが良く、多少のミスヒットもラケットが助けてくれる安心感があります。現代テニスの標準と言えます。 |
| 105インチ〜 | 初心者・ベテラン | 「ポン」と当てるだけで深く飛ぶ圧倒的なパワー。ボレーの守備範囲が劇的に広がり、ダブルスでの安心感は格別です。 |
【体験談】サイズを変えて分かった「メリットと誤算」
ネット上のスペック表だけでは見えてこない、実際に持ち替えたプレーヤーたちの本音をご紹介します。
100インチから98インチへ下げたAさんの場合
長年 ピュアドライブ などの100インチモデルを愛用していたAさんは、さらなるコントロールを求めて VCORE 98 に変更しました。
「最初は『飛ばない!』と焦りましたが、慣れてくるとコートの隅を狙う精度が格段に上がりました。100インチの頃は無意識に抑えていたスイングを、今は思い切り振り抜ける。結果的に球威が増してアウトが減ったのは嬉しい誤算でした。」
98インチから105インチへ上げたBさんの場合
競技モデルの プロスタッフ を使っていたBさんですが、体力的な負担を考え 魔法のラケット とも称される105インチ以上のオーバーサイズに変更。
「一番の驚きはボレーのタッチです。フレームのどこに当たっても相手コートに返ってくれる。ダブルスでの勝率が明らかに上がりました。ただ、相手の強打をフルスイングで打ち返そうとすると、面がブレる感覚があり、そこは力加減の調整が必要でしたね。」
「大きい面=初心者」という誤解
よく「上手くなったら面を小さくするもの」と思われがちですが、これは半分正解で半分間違いです。実は「飛びすぎてコントロールできない」という悩みは、面の大きなラケットでフルスイングした時によく起こります。自分のスイングスピードと、ラケットが持つパワーの「均衡」が取れているかどうかが、最も重要なポイントです。
失敗しないための「3つのチェックポイント」
- スイートスポットの広さ自分の打点がどれくらい安定しているか、客観的に振り返ってみましょう。オフセンター(芯を外すこと)が多い自覚があるなら、まずは100インチ以上が安全策です。
- 空気抵抗(振り抜き)面が大きくなると、その分風の抵抗を受けやすくなります。素振りをした時に「重い」「振り遅れる」と感じるなら、少しサイズを落とした方がスムーズなスイングが可能です。
- ストリングパターンとの組み合わせ同じ100インチでも、網目の粗い EZONE 100 のようなモデルと、網目の細かいモデルでは飛びが劇的に変わります。面の大きさと併せて「ガットの密度」もチェックしましょう。
プレースタイル別:あなたに最適なサイズはこれ!
- 「ガンガン打って自分から攻めたい」なら: 98インチ
- 「ミスを減らしてオールラウンドに戦いたい」なら: 100インチ
- 「ボレー主体で楽に、賢くテニスをしたい」なら: 105インチ以上
テニスラケットの面の大きさは、単なる数値ではなく「今の自分」を助けてくれる頼もしいパートナー選びです。もし迷っているなら、まずは基準となる100インチを試打してみてください。そこから「もっと飛ばしたい」のか「もっと自分の腕で抑えたい」のかを感じ取るのが、理想の1本への最短ルートです。
次は、実際に気になっているモデルをショップで手に取ってみませんか?


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