「最近、なんだか打球の衝撃が手に響くようになったな」「しっかり握っているはずなのに、インパクトで面がぶれる……」
もしあなたがそんな違和感を抱えているなら、疑うべきはガットの寿命だけではありません。実は、ラケットの持ち手そのものである**「リプレイスメントグリップ(元グリップ)」**が限界を迎えているサインかもしれません。
多くのプレーヤーが上に巻くオーバーグリップ(例:ウェットスーパーグリップ)の交換には気を配りますが、その土台である元グリップは数年放置されがちです。今回は、元グリップを交換するだけでどれほどプレーが変わるのか、私の失敗談を交えながらその重要性と巻き替えのコツを徹底解説します。
リプレイスメントグリップとは?オーバーグリップとの決定的な違い
そもそもリプレイスメントグリップとは、ラケットのハンドル(八角形の芯材)に直接巻き付けられている厚手のグリップテープのことです。「元グリップ」とも呼ばれ、単なる滑り止め以上の重要な役割を担っています。
| 項目 | リプレイスメントグリップ | オーバーグリップ |
| 役割 | 土台・クッション・角の形成 | 表面の吸汗・滑り止め・太さ調整 |
| 厚み | 1.5mm〜2.1mm程度 | 0.4mm〜0.7mm程度 |
| 裏面 | 全面に強力な両面テープあり | 巻き始めのみテープあり |
| 交換目安 | 半年〜1年、または弾力がなくなったら | 1週間〜1ヶ月、または表面が剥げたら |
【体験談】元グリップを3年放置して後悔した「3つの悲劇」
私は以前、「どうせ上にオーバーグリップを巻くんだから、元グリップなんて一生モノだろう」と高を括っていました。しかし、その無知が原因で以下のような悲劇に見舞われました。
1. 「テニス肘」寸前の衝撃が腕を襲う
3年使い込んだ元グリップを剥がしてみると、クッション層が完全に潰れてカチカチの状態でした。衝撃吸収機能がゼロになっていたため、オフセンターで打つたびに振動がダイレクトに肘へ。新しいシンセティックグリップに交換した瞬間、「こんなにラケットって柔らかかったっけ?」と感動したのを覚えています。
2. 知らぬ間にグリップが「細く」なっていた
スポンジが圧縮され続けると、グリップサイズが実質的に一段階近く細くなります。これにより、握り込みが深くなりすぎて余計な力みが生まれ、ストロークの安定感が損なわれていました。
3. 剥がす時にハンドルがベタベタの「ホラー状態」
いざ交換しようとした時、劣化した粘着剤が溶け出し、ハンドルの木製部分にこびりついていました。これを綺麗に掃除するだけで1時間以上かかり、最悪の場合はハンドルを傷める原因にもなります。
失敗しないリプレイスメントグリップの選び方
今のラケットの感触をどう変えたいかによって、選ぶべき種類は異なります。
素材で選ぶ:シンセか、レザーか
- シンセティック(合成樹脂): 現在主流のタイプ。クッション性が高く、手が疲れにくいのが特徴です。迷ったら、メーカー純正品やプリンス リプレイスメントグリップのような定番品を選べば間違いありません。
- レザー(天然皮革): プロや上級者に根強い人気。ハンドルの「カド」がはっきりと指に伝わるため、繊細なタッチが必要なボレーヤーに最適です。ただし、重さが10g前後増えるため、ラケットのバランスが手元寄り(トップライト)に変わる点には注意が必要です。
厚みで選ぶ:手の大きさに合わせる
「手が小さくてグリップが太く感じる」という方は、バボラ スキンフィールのような1.5mm程度の薄型タイプを選ぶと、操作性が劇的に向上します。
【プロ直伝】元グリップを綺麗に巻き替える5つのコツ
自分で巻き替えるのは勇気がいりますが、ポイントさえ押さえれば誰でもショップ店員レベルの仕上がりが可能です。
- 古いテープとカスを完璧に取り除く古い両面テープの残骸があると、新しいグリップが凸凹になります。シール剥がし剤を使って、ツルツルの状態に戻しましょう。
- 「引っ張り」は強弱をつけるハンドルの「カド」を通過する時は少し強めに、平らな「面」を通る時は均一な力で。これを意識するだけで、シワのない美しい仕上がりになります。
- 重ね幅は「3mm」をキープ重なりが多すぎると太くなり、少なすぎると隙間が空きます。一定の間隔を保つのが、握り心地を均一にする秘訣です。
- エンド部分の斜めカットを妥協しない最後はハサミで斜めにカットし、巻き終わりが水平になるように調整します。ここでグリップ仕上げ用ビニールテープを使ってしっかり固定しましょう。
- オーバーグリップを即座に巻かない元グリップを巻いた直後に少し素振りをし、圧着させてからオーバーグリップを巻くと、ズレにくく馴染みが良くなります。
まとめ:元グリップはラケットの「背骨」
テニスラケットのリプレイスメントグリップは、人間でいう「背骨」のようなもの。表面の皮(オーバーグリップ)が綺麗でも、背骨がボロボロでは最高のパフォーマンスは出せません。
「最近打球感が変わったな」と感じたら、ぜひ一度オーバーグリップを剥がして、下の元グリップを指で押してみてください。弾力がなければ、それが交換の合図です。新しいグリップで、新品のラケットを手に入れた時のようなあの「爽快な打球感」を取り戻しましょう!


コメント