女子連の試合で勝ち上がりたい、あるいは市民大会のAクラスで男性と互角に打ち合いたい。そんな志の高い女性プレーヤーにとって、ラケット選びはもはや「好み」の域を超えた、勝つための「戦略」そのものです。
上級レベルになればなるほど、周囲からは「競技者モデル」を勧められます。しかし、単純に重くて硬いラケットを選んでしまうと、試合の後半でスイングスピードが落ち、決定的な場面でネットミスが増えるという罠に陥りがちです。
本記事では、2026年現在のトレンドを踏まえ、上級女性が最後まで自分のテニスを貫き通せる「相棒」としてのラケットを、実際の打球感や試合での体験談を交えて深掘りします。
女性上級者がぶつかる「スペックの壁」
「パワー負けしたくないけれど、305gを超えると3セット目が持たない……」
これは、多くの競技志向女性が抱える共通の悩みです。男性プレーヤーが好むような極薄フレームや重いバランスは、一撃の威力はあっても、連戦となるトーナメントでは諸刃の剣となります。
私たちが目指すべきは、「振り抜きの良さ」と「面安定性」の絶妙なバランスです。
【実戦レビュー】勝ちたい女性が選ぶべき4つの最新モデル
1. 圧倒的な安心感と攻撃力:ヨネックス EZONE 98
「これにしてから、追い込まれた時の守備範囲が広がった」という声が多いのがこのモデル。オフセンターで叩いてしまった時も、フレームがパワーを補ってくれる感覚があります。2026年モデルでは振動吸収性がさらに進化しており、ポリガットを張ってガシガシ打ち込んでも、手首への嫌な衝撃が極限まで抑えられています。
2. コントロールで相手を翻弄する:ウィルソン BLADE 98
「ドロップショットやアングルボレーなど、指先の感覚を大事にしたい」なら、間違いなくこれです。しなやかでありながら、インパクトの瞬間は芯が通ったような強さを感じます。実際に試合で使用すると、相手の強打を利用してコースを突く「カウンター」が面白いように決まります。
3. 反応速度でボレーを制する:ヘッド SPEED MP
ダブルスを主戦場にする女性上級者に愛されているのがSPEEDシリーズ。300gという標準的な重さながら、空気抵抗を感じさせない驚異的な振り抜きの良さが特徴です。ボレー対ボレーの高速ラリーでも、ラケットのセットが遅れることなく、面をパシッと合わせるだけで質の高い球が返せます。
4. 弾道の高さでコートを支配する:バボラ ピュアアエロ 98
スピン量で相手を圧倒したいなら、この「黄色いモンスター」が筆頭候補です。特に98インチモデルは、飛びすぎを抑えた競技者仕様。高く弾むエッグボールで相手をバックサイドに追い込み、浮いた球を確実に仕留める。そんな「力強いテニス」を体現させてくれます。
意外と見落としがちな「カスタマイズ」の重要性
ラケット本体と同じくらい大切なのが、セッティングです。上級女性の多くは、単に「硬いポリ」を張るのではなく、賢い選択をしています。
- ハイブリッド張りの活用: 縦にルキシロン アルパワーなどのポリ、横にバボラ アディクションなどのナイロンを張ることで、スピン性能と腕への優しさを両立させています。
- グリップサイズの工夫: 一般的なL2サイズをそのまま使うのではなく、あえてL1を選び、ヨネックス ウェットスーパーグリップを2枚重ねて巻くことで、握り心地の調整とクッション性を高めているプレーヤーも少なくありません。
結論:あなたが最後に頼るのは「重さ」か「技術」か
「重いラケットを使っている自分」に酔ってはいけません。テニスは、試合の最後のポイントを勝ち取った者が勝者です。
3セット目のタイブレーク。足が止まりかけ、腕がパンパンになった時。それでも振り抜ける「軽快さ」があり、かつ相手の強打に負けない「芯」がある。そんな1本に出会えた時、あなたの戦績は劇的に変わるはずです。
まずは気になるモデルを、1時間以上の練習、あるいはゲーム形式の中で試してみてください。最初の一振りよりも、最後の最後の一振りに「助けてくれる感覚」があるかどうか。それが、あなたにとっての正解です。


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