「もっと地面を掴むように走りたい」「足裏の感覚を研ぎ澄ませたい」——。そんなランナーが一度は辿り着くのがベアフット(裸足感覚)ランニングという世界です。私自身、長年クッション性の高い厚底シューズを愛用してきましたが、ある時「自分の足は退化していないか?」という不安に駆られ、アシックスのナチュラルランニング系シューズを手に取りました。
実は、日本が世界に誇るアシックスには、完全な「裸足」を再現した靴というより、人間本来の足の動きをサポートしつつ、現代の舗装路でも安全に走れる「絶妙な塩梅」のモデルが隠れています。今回は、私が実際に試行錯誤して見つけた、アシックスでベアフット感覚を楽しむための秘訣をお伝えします。
アシックスに「裸足」そのものの靴はない?
まず知っておくべきは、アシックスのラインナップにビブラムの5本指シューズのような「極限のベアフット」は現在存在しないということです。しかし、彼らが提唱する「ナチュラルランニング」のコンセプトは、まさにベアフットの思想そのもの。
過度なサポートを削ぎ落とし、足首や土踏まずのバネを最大限に活用させる設計は、履いてみると驚くほど「自分の足で走っている感」を実感させてくれます。
地面を感じる、私のおすすめ3選
私が実際に履き比べ、地面の凹凸や蹴り出しの反応をダイレクトに感じられたモデルを紹介します。
- アシックス HYPERSPEEDもともとは部活生のトレーニング用という位置付けですが、これがベアフット練習に最適です。ドロップ(かかととつま先の高低差)が少なく、接地感が非常にフラット。余計なクッションに頼れない分、自分の着地がいかに雑だったかを教えてくれる一足です。
- アシックス GEL-FujiLyteもしあなたが不整地も走るなら、これ以上の選択肢はありません。トレイル用でありながら驚くほど軽量で、ソールが薄いため木の根や岩の感触が足裏に伝わります。自然の中で足裏の感覚受容器が目覚めていく感覚は、まさに快感です。
- アシックス METASPEED「えっ、厚底じゃないの?」と思うかもしれませんが、実は効率的なフォアフット着地を強制的に導いてくれる構造という意味では、ベアフットの理想とする「フォーム改善」の終着点の一つと言えます。ただし、これは足が出来上がった後の「ご褒美」として考えるのが正解でしょう。
実体験から学んだ「失敗しない移行術」
ベアフット系のシューズに興味を持った私が、最初に犯した失敗は「いきなり10km走ったこと」です。翌日、ふくらはぎが爆発しそうなほどの筋肉痛に襲われ、数日間歩くのもままなりませんでした。
これから始める方に伝えたいのは、まずは「日常のウォーキング」や「ジョギング前の5分間のドリル」から取り入れることです。厚底シューズで甘やかされた足裏の筋肉は、私たちが思う以上に眠っています。
少しずつ距離を延ばしていくと、ある日突然、着地音が「バタバタ」から「スッ」と静かになる瞬間が訪れます。その時、あなたの体は骨格を正しく使い、衝撃を逃がす術を身につけているはずです。
まとめ:自分の足を信じるための道具選び
アシックスのシューズは、日本人の足型を熟知しているからこそ、ベアフット練習という攻めた試みにおいても「安心感」というバックアップを与えてくれます。
単なる流行に流されるのではなく、アシックスのランニングシューズを通じて自分の身体と対話すること。それが、長く、怪我なく走り続けるための最短ルートだと私は確信しています。まずは一歩、地面の感触を確かめることから始めてみませんか。


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