「テニスを始めてしばらく経つけど、そろそろポリエステルに変えてみるべき?」
「コーチにはポリを勧められたけど、肘が痛くならないか心配……」
テニスショップの壁一面に並ぶガットを見て、溜息をついた経験は誰しもあるはずです。特に「ポリ(ポリエステル)」と「ナイロン」の選択は、あなたのテニスライフの質を大きく左右します。
今回は、初心者の頃にナイロンで心地よく打ち込み、中級者になって意気揚々とポリに変えて「テニス肘」に泣き、試行錯誤の末に自分なりの正解を見つけた私のリアルな体験談をもとに、両者の違いを徹底的に掘り下げます。
1. ナイロンガットの心地よさと「物足りなさ」の正体
テニスを始めた当初、私が使っていたのはテクニファイバー X-ONE BIPHASEのような、柔らかいナイロンガットでした。
【体験】ナイロン時代の打球感
ナイロンの最大の魅力は、なんといっても「反発力」と「優しさ」です。軽い力でポンと当てるだけで、ボールが深く飛んでくれる。ボレーの時も、ガットがボールを包み込んでから弾き出すような感覚があり、タッチの繊細さが手に取るように伝わってきました。
しかし、レベルが上がってスイングスピードが速くなるにつれ、不満が出てきました。
- 「飛びすぎる」: 全力で振り抜くと、ボールがベースラインを軽々と越えてしまう。
- 「すぐ切れる」: 週3回練習すると、2週間持たずにガットがささくれ、切れてしまう。
ここで多くの人が「そろそろポリかな」と考える時期に突入します。
2. ポリエステルに変えて感じた「衝撃」と「絶望」
強烈なスピンに憧れて、私もついにルキシロン アルパワーという憧れのポリガットに手を出しました。
【体験】ポリに変えた初日の快感
初めてポリで打った瞬間、別世界が広がりました。「ガンッ!」という重厚な打球音とともに、放たれたボールが相手コートの直前で急激に沈む。ナイロンではアウトになっていた軌道が、スピンの力で収まるのです。
「これだ!これでプロみたいなエッグボールが打てる!」と、その日は有頂天でした。
【体験】3週間後に訪れた異変
しかし、悲劇は3週間後にやってきました。
ガットは全く切れる気配がないのに、なぜかボールが飛ばない。無理に飛ばそうとして力むうちに、手首と肘に鋭い痛みが走るようになりました。これが、いわゆるポリの**「賞味期限切れ」**です。
ポリはナイロンに比べて素材が硬いため、一度テンションが落ちると「振動吸収性」が極端に悪化します。見た目は綺麗でも、中身はただの「伸び切った針金」になっていたのです。
3. あなたはどっち?タイプ別の選び方ガイド
私の失敗談を踏まえ、今のあなたが選ぶべき基準を整理しました。
ナイロンガットが最適な人
- 週に1回、健康のためにテニスを楽しむ方
- ボレーやタッチショットで勝負するダブルス愛好家
- 過去にテニス肘などの怪我を経験したことがある方おすすめはゴーセン ミクロスーパー。基本に忠実で、ナイロンの良さが詰まっています。
ポリエステルガットが最適な人
- ナイロンだと1ヶ月以内にガットが切れてしまう方
- 「振っても入る」安心感を手に入れて、スピンで攻めたい方
- 1ヶ月に1回、必ずガットを張り替えるマメな方まずはヨネックス ポリツアープロのような、ポリの中では比較的柔らかいモデルから入るのが正解です。
4. 解決策としての「ハイブリッド」という選択
「ポリのスピンは欲しいけど、腕への負担が怖い……」
そんな私が行き着いた結論が、縦糸にポリ、横糸にナイロンを張る**「ハイブリッド」**という手法です。
ウィルソン チャンピオンズチョイスに代表されるこの組み合わせは、ポリの「引っ掛かり」とナイロンの「柔らかさ」を絶妙にミックスしてくれます。実際に試してみると、ポリ単体よりも格段に肘が楽になり、かつナイロン単体よりも圧倒的にスピンがかかるようになりました。
5. まとめ:ガット選びは「自分の体との対話」
「みんながポリを使っているから」という理由だけで選ぶのは危険です。テニスにおいて最も大切なのは、怪我をせずに楽しくプレーし続けること。
もしあなたが今、自分の打球感に違和感があるなら、一度バボラ アディクションのような高性能ナイロンに戻してみるか、あるいは柔らかいポリに挑戦してみてください。
ガットはラケット以上に「生き物」です。自分のスイングと相談しながら、最高の「相棒」を見つけてくださいね。


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