「テニスラケットのガット、何ポンド(lbs)で張ればいいんだろう?」
テニスショップの受付で、誰もが一度は直面するこの悩み。とりあえず「真ん中くらいで」と適当に決めていませんか?実は、lbs(テンション)ひとつで、あなたのラケットは「魔法の杖」にも「ただの板」にもなります。
今回は、数多くのテンションを試してきた私の実体験をもとに、後悔しないlbs選びの基準を徹底解説します。
そもそもテニスラケットの「lbs(ポンド)」とは?
lbs(ポンド)とは、ガットをどれくらいの強さで引っ張って張るかを示す単位です。ラケットのフレームを見ると「45-55 lbs」といった推奨数値が記載されています。
最近の傾向として、以前よりも「低めのテンション」が主流になっています。ひと昔前は55〜60lbsでパンパンに張るのが美徳とされていましたが、現代はラケット自体の反発性能とポリエステルガットの進化により、プロでも40lbs台で張る選手が増えているのです。
【体験比較】高いlbs vs 低いlbs 打ち心地はどう違う?
実際に私が「58lbs(高め)」と「42lbs(低め)」を同じラケットで打ち比べた際の手応えを比較表にまとめました。
| 項目 | 高いテンション(55lbs〜) | 低いテンション(〜45lbs) |
| 打球感 | パチッとした硬い感触。「板」で叩くような感覚。 | モチッとした柔らかい感触。球が一度沈み込む。 |
| 飛びの良さ | 飛びすぎない。フルスイングしてもコートに収まる。 | 驚くほど楽に飛ぶ。トランポリンのような反発力。 |
| コントロール | 面が安定し、弾丸のような直線的なショットが打てる。 | 軌道が高くなりやすく、深いボールを維持しやすい。 |
| 体への負担 | 衝撃が手首や肘にダイレクトに来る。 | 衝撃をガットが吸収してくれるため、非常にマイルド。 |
あなたに最適なlbsを見極める「3つの基準」
失敗しないために、以下の3つのポイントで自分の設定を考えてみましょう。
1. スイングスピードと筋力
ガットをたわませる力がある人は高めでも飛びますが、非力な方やスイングがゆっくりな方が高テンションにすると、ボールが全く飛ばず、無理に飛ばそうとして肘を痛める原因になります。
2. ガットの種類で調整する
ルキシロン アルパワーのようなポリエステルガットなら、少し緩めの42〜48lbsが現代の標準です。一方、テクニファイバー エックスワン バイフェイズのようなナイロンガットなら、48〜52lbsあたりが扱いやすく感じます。
3. 季節(気温)の罠
ガットは温度で変化します。
- 夏(暑い): ガットが伸びやすくボールが飛びすぎるため、普段より「+2lbs」
- 冬(寒い): ガットが硬くなり飛ばなくなるため、普段より「-2lbs」このように微調整するだけで、年間を通してパフォーマンスが安定します。
【実録】私が「45lbs」に下げて気づいたメリット・デメリット
私は長年「52lbs」が自分に最適だと思い込んでいました。しかし、ある時思い切って「45lbs」まで落としてみたところ、テニスの質がガラリと変わりました。
最大のメリットは「追い込まれた時の粘り」です。
走らされてギリギリで触っただけのボールが、ガットのたわみのおかげで相手コートの深くへ返ってくれるのです。また、ボレーも面をセットするだけで深く飛んでくれるため、ダブルスでの安心感が増しました。
一方でデメリットもありました。
最初はチャンスボールを叩いた時に「飛びすぎ(バックアウト)」が増えました。しかし、これは力みすぎが原因。リラックスして回転(スピン)をかける意識に変えることで、低いテンション特有の「重いボール」が打てるようになりました。
初心者・中級者が迷ったら「この数値」からスタート!
もしあなたが今「何ポンドにしよう…」と迷っているなら、まずは**「48lbs」**をおすすめします。
理由はシンプル。現代のバボラ ピュアドライブやヨネックス イーゾーンといった人気ラケットの性能を、最も素直に引き出せる「黄金値」だからです。ここを基準にして、「もっと飛ばしたいなら2ポンド下げる」「もっと抑えたいなら2ポンド上げる」という調整を行えば、自分なりの正解に最短距離で辿り着けます。
テンション選びは、自分の成長や体調に合わせて変化していくものです。一度決めた数値に固執せず、実験感覚でいろいろなlbsを試してみてください。その過程もまた、テニスの醍醐味ですから。
次は、自分のポンド数に合わせて振動止めの種類を変えて、さらに打球感を自分好みにカスタマイズしてみませんか?


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