テニスコートで見かける「V」や「S」のロゴ。これらは単なるアルファベットではなく、現代テニスのトレンドである「スピン性能」を極めた2大巨頭、ヨネックス VCOREとダンロップ SXを象徴しています。
「もっとエグい回転をかけたい」「アウトミスを減らしてコートに収めたい」と願うプレーヤーにとって、この2本は避けては通れない選択肢です。今回は、実際に両モデルを打ち込んできた筆者の体験をもとに、その決定的な違いを本音でレビューします。
テニスラケットの「V」と「S」の正体
まず、この2つのシリーズがどのような立ち位置なのかを整理しましょう。
- ヨネックスの「V」:VCORE(ブイコア)シリーズ。ヨネックス独自の形状「アイソメトリック」を採用し、空気抵抗を極限まで減らした「振り抜きの良さ」が武器です。
- ダンロップの「S」:SX(エスエックス)シリーズ。「Spin」の頭文字を冠しており、ミスショットをナイスショットに変える「弾道補正機能」が最大の特徴です。
どちらも「スピン系」と括られますが、実際にコートに立つとその性格は驚くほど異なります。
【体験レビュー】ヨネックス VCORE(V)を振り抜いてみた
VCORE 100を手にして最初に驚くのは、その圧倒的な「風を切る音」です。フレームの空気抵抗が少ないため、スイングスピードが自然と上がります。
実際に打ってみた感覚
打球感は非常にシャープです。ボールを潰している感覚が手にしっかり伝わり、「自分の力で回転を操っている」という高い操作感があります。特に感動したのはサーブです。振り抜きが良い分、ヘッドが走るため、スピンサーブが想像以上に高く跳ね、相手のバックハンドを押し出すことができました。
一方で、スイングが中途半端になるとボールが浅くなりがちです。ある程度「自分からしっかり振っていける」体格や技術がある人にとって、これほど頼もしい相棒はいません。
【体験レビュー】ダンロップ SX(S)で粘ってみた
次にSX 300を試打しました。こちらはVCOREとは対照的に、非常に「マイルドで懐が深い」印象です。
実際に打ってみた感覚
驚いたのは、少し打点が遅れたり、芯を外したりした時の挙動です。普通ならネットにかかるような低い弾道のボールが、ラケットのグロメット構造のおかげか、グンと持ち上がって相手コートの深い位置に落ちてくれます。「ラケットが助けてくれる」という安心感はSXが圧倒的です。
打感はモッチリとしていて、ボールがガットに吸い付くようなホールド感があります。ガンガン打ち込むというよりは、安定した軌道で相手を左右に揺さぶり、ミスを誘うプレーに最適だと感じました。
「V」と「S」どっちを選ぶべき?判断のポイント
結論として、あなたのプレースタイルによって選ぶべきモデルは明確に分かれます。
ヨネックス VCORE (V) が向いている人
- 自分から攻めるタイプ:フルスイングして、攻撃的なスピンボールを打ち込みたい。
- 振り抜きの良さを重視:ラケットの重さを感じず、素早くラケットを回したい。
- シャープな打球感が好き:ボールをしっかり潰す感覚を手に残したい。
ダンロップ SX (S) が向いている人
- 安定感を重視するタイプ:ミスを最小限に抑え、高い弾道で粘り強く戦いたい。
- ラケットに助けてほしい:オフセンター(芯を外した時)の失速を抑えたい。
- ホールド感を求める:ボールを一度掴んでから放つような、柔らかい打感を好む。
まとめ:あなたのテニスを次のステージへ
ヨネックス VCOREは自らの意志をボールに伝える「刀」のような鋭さがあり、ダンロップ SXはプレーを支えてくれる「盾」のような包容力があります。
もしあなたが、さらに上のレベルを目指してスイングを磨きたいなら「V」を。試合で勝ち切るための安定感と安心感が欲しいなら「S」を手に取ってみてください。この一本が、あなたのテニスライフを劇的に変えるきっかけになるはずです。


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