「次のフルマラソン、どっちの相棒と走るべきか……」
玄関でGEL-KAYANOとCLIFTONを左右交互に履き比べながら、30分以上悩み込んだことがあります。
日本が誇る信頼のブランド「アシックス(ASICS)」と、厚底ブームの火付け役である「ホカ(HOKA)」。ランニングショップの棚で最も存在感を放つこの2大ブランドですが、実はその履き心地は「似て非なるもの」です。
今回は、自称・シューズオタクの私が、両ブランドの主要モデルを実際に履き潰して感じた「決定的な違い」と、後悔しない選び方を本音でシェアします。
1. 「守りのアシックス」と「攻めのホカ」:クッション性の正体
まず、足を入れた瞬間に感じる「クッション」の質が全く違います。
アシックスの代名詞といえば、やはりGEL(ゲル)テクノロジーです。GEL-NIMBUSなどを履くと分かりますが、着地の衝撃を「スッ」と無効化してくれるような、安定感のある優しさがあります。砂浜の上を歩くような沈み込みではなく、あくまでアスファルトの硬さを消してくれるような、規律正しいクッションです。
一方でホカは、まさに「マシュマロ」です。
BONDIに足を通した時の、あのフワッとした浮遊感は唯一無二。ただ柔らかいだけでなく、車輪のような形状の「メタロッカー構造」が、勝手に足が前に出る感覚を演出してくれます。アシックスが「自分の脚でしっかり地面を捉える」のを助けてくれるのに対し、ホカは「シューズが走らせてくれる」という攻めの感覚が強いですね。
2. 日本人の足に寄り添うのはどっち?サイズ感とフィット感
「幅広甲高」という日本人に多い悩みに対し、一歩リードしているのはやはりアシックスです。
長年の日本人の足型データに基づいた設計は伊達ではありません。GT-2000をはじめ、多くのモデルで「Extra Wide(4E相当)」が用意されており、小指の付け根が当たって痛い……という悲劇を高い確率で回避できます。
対するホカは、以前は「細身で欧米向け」というイメージが強かったのですが、最近はCLIFTON WIDEなど、ワイドモデルの展開が劇的に増えました。
ただし、ホカは「バケットシート」のように足の周りを包み込む構造なので、土踏まずのあたりに独特の圧迫感を感じる人もいます。私はこのホールド感が大好きですが、扁平足気味の友人は「アシックスの方が開放感がある」と言っていました。
3. 実際に履き比べて分かった「使い分け」の正解
私が数千キロ走ってきた中で辿り着いた、今の使い分けはこうです。
- 10km〜ハーフの練習や、フォームを意識したい時GEL-KAYANOを選びます。カカトがガシッと固定されるので、疲れてきてもフォームが崩れにくく、翌日の筋肉痛が明らかに少ないです。「真面目な練習相手」という印象ですね。
- LSD(長くゆっくり走る)や、膝に違和感がある時迷わずCLIFTONを手に取ります。膝への衝撃がマイルドになるのはもちろん、転がるような推進力のおかげで、疲れたメンタルでも「あと5km行こうかな」と思わせてくれる楽しさがあります。
- タイムを狙う勝負レースなら?ピッチで刻むタイプならアシックスのMETASPEED EDGE、ストライドを伸ばして効率よく進みたいならホカのROCKET Xが、今のトレンドを象徴する選択肢になるでしょう。
まとめ:あなたの「足」と「心」が喜ぶのは?
「結局、どっちが良いの?」という問いへの答えは、あなたのランニングスタイルに隠されています。
- アシックスがおすすめな人:安定感を重視し、着地の衝撃から足首や腰を守りたい。また、日本人の足に馴染むジャストフィットな一足を長く愛用したいランナー。
- ホカがおすすめな人:とにかく膝への優しさを優先したい。今までにない「転がるような走る楽しさ」を味わい、ウルトラマラソンなどの超長距離にも挑戦したいランナー。
ランニングシューズ選びに正解はありませんが、失敗しないコツは「自分の直感」を信じることです。ショップで履き比べた際、最初に「おっ、気持ちいい!」と感じた方が、あなたの体が求めているシューズかもしれません。
さあ、あなたは次、どちらのシューズで走り出しますか?


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