テニスコートに立つとき、手元にある相棒が自分のポテンシャルを最大限に引き出してくれる。そんな確信を持てるかどうかで、試合の勝敗は半分決まると言っても過言ではありません。長年、多くのプレーヤーの腕を支えてきたダンロップから、待望の新作ラインナップが登場しました。
私自身、何十本ものラケットを試打してきましたが、今回のダンロップのアップデートには驚かされました。単なるマイナーチェンジではなく、プレーヤーの「感覚」に踏み込んだ進化を遂げているからです。
圧倒的なコントロール性能、新作CXシリーズの衝撃
まず手に取ったのは、コントロールの代名詞とも言えるCX 200です。一振りした瞬間に感じたのは、ボールをフェイスがギュッと掴むような濃密なホールド感でした。
かつてのモデルは、人によっては「少し硬い」と感じる場面もありましたが、今作はフレームのしなりが絶妙で、オフセンターで打った際の手首への衝撃が驚くほど軽減されています。「狙ったラインの数センチ内側を通す」という快感は、このラケットでしか味わえない特権でしょう。競技志向の学生や、正確なショットで相手を追い詰めたいベテランプレーヤーには、間違いなくCX 400 TOURが救世主になるはずです。
現代テニスを支配する「スピン」と「パワー」の融合
一方、ベースライナーとして「もっとエグい軌道のボールを打ちたい」と願うなら、SX 300を外すことはできません。
実際にコートで打ち合ってみると、スピンのかかり具合が異次元です。少し振り遅れたかなと思ったボールでも、コートの奥で急激に失速してベースラインぎりぎりに収まってくれます。弾道補正機能が働いているのを肌で感じ、心の中で「助かった」と呟くシーンが何度もありました。
また、フラットドライブ主体の攻撃型プレーヤーにはFX 500が最適です。ボレーの弾きも素晴らしく、ダブルスのスピーディーな展開でも後手に回ることがありません。
失敗しないための選び方:スペックの数字以上に大切なこと
ラケット選びで陥りがちなのが「重さ」や「バランス」の数字だけに囚われることです。新作LX 800のような軽量モデルは、一見すると初心者向けに見えますが、実はボレーの操作性を重視するダブルス愛好家にとって、これほど頼りになる武器はありません。
選ぶ際のポイントは以下の3点です。
- 打球感の好み: 柔らかく掴む感覚ならCX、弾きとパワーならFX。
- スイングスピード: 振り切れる自信があるならCX 200 TOUR、アシストが欲しいならSX。
- 主戦場: シングルスでじっくり組み立てるのか、ダブルスで反応速度を競うのか。
結論:あなたが手にするべき一本はどれか
今回のダンロップの新作群は、あらゆるレベルのプレーヤーに対して「正解」を用意してくれています。
もし、あなたが「今のテニスをもう一段階上のレベルへ引き上げたい」と本気で考えているなら、まずはCXシリーズから試してみてください。その精緻な操作性が、あなたの技術をよりクリアに可視化してくれるでしょう。
新しいラケットと共にコートへ駆け出す。そのワクワク感こそが、テニスというスポーツの最大の醍醐味なのですから。


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