ソフトテニスの歴史を振り返る時、避けては通れない一振りのラケットがあります。それがダンロップ ギャラクシー ド 100Sです。2000年代、コートに立てば必ずと言っていいほど目にしたあの独特の光沢とフォルム。今回は、今なお愛好家の間で語り継がれるこの名器について、当時の熱狂を知るプレイヤーの視点からその魅力を深掘りしていきます。
手に馴染む「しなり」と、突き抜ける「パワー」の共存
ダンロップ ギャラクシー ド 100Sを語る上で外せないのが、後衛用ラケットとして完成されたその打球感です。インパクトの瞬間、グッとボールをホールドする「しなり」を感じたかと思えば、直後に強烈な弾きでボールを相手コートの深い位置へと押し込む。この「掴んで離す」感覚が絶妙で、一本シャフトのような粘り強さと、現代ラケットに通じる反発力を高い次元で両立させていました。
筆者が初めてこのラケットを握った時の衝撃は、今でも忘れられません。広めのフェイスサイズがもたらす安心感がありながら、振り抜きは驚くほどシャープ。シュートボールの伸びはもちろん、ロビングをコントロールする際の手応えも極めて情報量が多く、まるで自分の腕の延長線上にあるかのような操作性でした。
黄金時代を支えたスペックの秘密
ダンロップ ギャラクシー ド 100Sがなぜこれほどまでに支持されたのか。その理由は、当時の最先端技術を結集したフレーム構造にあります。特にダンロップ独自の振動吸収性能は秀逸で、ハードヒットを繰り返しても腕への負担が少なく、試合終盤まで高いパフォーマンスを維持することができました。
また、デザイン面でも所有欲を満たしてくれる美しさがありました。あの深いカラーリングは、光の当たり方で表情を変え、コート上で圧倒的な存在感を放っていました。
現代のテニスシーンで「100S」を使いこなすには
もし今、手元に状態の良いダンロップ ギャラクシー ド 100Sがあるなら、ぜひ一度最新のガットを張ってコートに出てみてください。ただし、注意点もあります。
- フレームの疲労: 製造から時間が経過しているため、目に見えないクラックや素材の劣化がある場合があります。無理な高ポンドでの張り上げは避けましょう。
- ガット選び: 当時はモノフィラメント全盛でしたが、あえて最新のマルチフィラメントを組み合わせることで、ダンロップ ギャラクシー ド 100S特有の食いつきをさらに引き出すことができます。
- パーツの確保: グロメットなどの消耗品は入手困難です。大切に扱うことが長く使い続ける唯一の道です。
時代を超えて愛される理由
ダンロップ ギャラクシー ド 100Sは、単なる道具としてのラケットを超え、多くのプレイヤーにとって「上達の記憶」と共にある戦友のような存在です。最新のカーボン技術を駆使した現行モデルも素晴らしいですが、このラケットが持っていた「泥臭くも華やかな打球感」は、今の時代でも決して色褪せることはありません。
あの頃の情熱を思い出し、再びダンロップ ギャラクシー ド 100Sを手に取る。そんな選択も、大人のソフトテニスの楽しみ方の一つではないでしょうか。


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