ダンロップの名前の由来は獣医師の愛情?世界初の空気入りタイヤを発明した創業者の歴史とブランドの背景

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「ダンロップ」という響きを聞いて、あなたはまず何を思い浮かべますか?サーキットを駆け抜けるマシンの足元でしょうか、それともお気に入りのダンロップ タイヤを履いた愛車とのドライブでしょうか。

実は、この世界的なブランド名の由来を辿ると、一人の父親が息子に注いだ、驚くほど温かい「発明の物語」に突き当たります。今回は、単なるメーカー名の枠を超えた、ダンロップ誕生のドラマを深掘りします。


始まりは、ある「獣医師」の父心だった

「ダンロップ」という名前は、創業者のジョン・ボイド・ダンロップ氏に由来します。しかし、意外なことに彼は最初からタイヤ職人だったわけではありません。彼の本職は、動物の命を救う「獣医師」でした。

1887年のアイルランド。ジョンは、息子が三輪車に乗るたびに、ガタガタという激しい振動と騒音に悩まされている姿を目にします。当時のタイヤは硬いゴムの塊(ソリッドタイヤ)で、お世辞にも乗り心地が良いとは言えませんでした。「もっと楽に、もっと楽しく走らせてあげたい」。そんな親心から、彼はゴムチューブに空気を詰め、三輪車の車輪に固定するという画期的なアイデアを思いついたのです。

これが世界初、実用的な「空気入りタイヤ」が誕生した瞬間でした。

「空気」が乗り心地を変え、世界を変えた

ジョンの発明は、単に息子の三輪車を快適にしただけでは終わりませんでした。彼はその後、自身の名を冠した会社を設立し、自転車から自動車へとその技術を広げていきます。

私自身、初めてル・マン V+に履き替えた時の衝撃は今でも忘れられません。路面からの突き上げが驚くほどしなやかになり、まるで道が滑らかになったかのような感覚。あの日、ジョンの息子が感じた「走る喜び」も、きっとこれと同じか、それ以上の感動だったはずです。

日本のモビリティを支えたダンロップの足跡

ダンロップの歴史は、そのまま日本のタイヤの歴史でもあります。1909年に日本初のゴム工場として現在の住友ゴム工業が稼働し、日本で初めての国産タイヤを生み出したのもこのブランドです。

今ではタイヤだけでなく、ダンロップ テニスボールスリクソン ゴルフボールといったスポーツの世界でも、その名は信頼の証として刻まれています。

伝統の「フライング・ディー」に込められた誇り

ダンロップを象徴するロゴマーク、翼の生えた「D(フライング・ディー)」。これは、空気入りタイヤによってもたらされた「軽快さ」と「スピード」を表現しています。

もし、ジョン・ボイド・ダンロップがただのビジネスマンだったら、今のタイヤはもっと違う形をしていたかもしれません。一人の父親が、息子のために空気をデザインした。その優しさと探究心が、今も私たちのドライブを足元から支えてくれているのです。

次にダンロップのロゴを目にしたときは、ぜひその背景にある「三輪車の物語」を思い出してみてください。いつもの景色が、少しだけ温かく見えるかもしれません。

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