ダートトライアルやラリーの現場で、パドックを見渡せば必ずと言っていいほど目にするのがダンロップの競技用タイヤです。特に「DIREZZA 73R」は、初心者から全日本クラスのトップドライバーまで、非常に幅広い層に愛用されています。
しかし、いざ自分が導入しようと思うと、「どの程度の路面までカバーできるのか?」「他モデルとの履き替えタイミングは?」と悩む方も多いはず。今回は、実際に私が地方選や練習会で73Rを履き潰してきた経験をもとに、そのリアルな使用感と攻略ポイントを深掘りします。
万能と言われる理由:73Rがカバーする守備範囲
DIREZZA 73Rの最大の特徴は、その圧倒的な「許容範囲の広さ」にあります。競技用タイヤの世界では、路面が硬ければ硬質用、泥なら軟質用と細かく使い分けるのが定石ですが、73Rはその中間、いわゆる中間路面から硬質気味のコンディションで無類の強さを発揮します。
実際にコースインした際、最初はウェットだった路面が走行を重ねるごとにドライへと変化していくような状況でも、73Rなら最後までグリップの劇的な変化に翻弄されることなく走りきることができます。この「予測しやすさ」こそが、コンマ数秒を争う現場での安心感に直結するのです。
競技者が迷う「88R」や「95R」との決定的な違い
よく比較対象に上がるのが、超硬質路面用のDIREZZA 88Rや、軟質・泥用のDIREZZA 95Rです。
- 88Rとの違い: 夏場の焼き付くようなドライ路面や、完全に舗装のような硬さになった超硬質路面では88Rに軍配が上がります。しかし、少しでも砂利が浮いていると88Rは途端にピーキーになります。対して73Rは、浮き砂利に対してもブロックがしっかり仕事をしてくれるため、路面状況が読みきれない時は73Rを選択するのが正解と言えます。
- 95Rとの違い: 泥んこのマディ状態では95Rの排泥性能には敵いません。しかし、表面が乾き始めた「ハーフウェット」の状態では、73Rの方がブロック剛性が高く、カチッとした操作感を得られます。
現場で役立つ!73Rの運用ノウハウ
非対称パターンの使いこなし
73Rは非対称パターンを採用しています。左右指定はありませんが、組み込み時の「OUTSIDE/INSIDE」は厳守です。外側のブロックが横方向の踏ん張りを支え、内側がトラクションを稼ぐ設計になっているため、逆向きに組んでしまうと本来の旋回性能を損なってしまいます。
空気圧の微調整がタイムアップの鍵
私の経験上、73Rは空気圧の変化に対して非常に素直に反応します。路面が硬く締まっている時は少し高めに設定してブロックのヨレを抑え、逆に少しルーズな路面では低めにして接地面積を稼ぐ。この「10kPa単位」の調整が、立ち上がりのトラクションを大きく左右します。
73Rはこんな人におすすめ
もしあなたが「次に履くタイヤをどれにするか」と悩んでいるなら、以下の条件に当てはまる場合は迷わず73Rを選ぶべきです。
- これからダート競技を本格的に始める方: 挙動がマイルドでコントロールの勉強に最適です。
- スペアホイールの数が限られている方: 一組で幅広い路面に対応できるため、コストパフォーマンスが最高です。
- 路面変化の激しい長距離のラリーに参加する方: 突然の天候変化や路面状況の変化にも柔軟に対応できます。
ダンロップが誇るこの名作タイヤを履きこなすことで、あなたのドライビングスキルは一段上のステップへと進むはずです。まずは練習会で、その「粘り強いグリップ」を体感してみてください。
次のステップとして、現在のあなたの車両に合わせた具体的なサイズ選びや、より詳細な空気圧セッティングについてアドバイスしましょうか?


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