「もっと深く、もっと速くバンクさせたい」——そんな情熱に取り憑かれたライダーにとって、タイヤ選びは単なる消耗品の交換ではなく、バイクの魂を再定義する儀式です。
私が初めてDUNLOPのハイグリップを履かせたあの日、コーナーの入り口で見えた景色が一変しました。これまで「怖い」と感じていた寝かし込みが、まるで磁石で路面に吸い寄せられるような安心感に変わったのです。
今回は、数多くのタイヤを使い潰してきた実体験をもとに、現行ダンロップのハイグリップシリーズの真価を紐解きます。
まるで魔法。ダンロップ特有の「手応え」とは
ダンロップのタイヤ、特にSPORTMAXシリーズを語る上で外せないのが、路面を掴む「手応え」の分厚さです。他社製が「スッと軽く倒れる」感覚なら、ダンロップは「ググッ、ピタッ」と、フロントから強烈な接地感を乗り手に伝えてくれます。
この安心感があるからこそ、ブレーキを残しながらクリップへ向かう際の「もう一絞り」が可能になるのです。
1. 迷ったらこれ。公道最強のオールラウンダーα-14
「サーキットも行きたいけれど、自走でのワインディングがメイン」という方に、私は迷わずα-14を勧めます。
- 体験談: 冬場の冷えた路面でも、数km走ればじんわりと熱を持ち、本来のグリップを発揮し始めます。驚くべきは雨天時の排水性。ハイグリップでありながら、不意の夕立でもヒヤリとする場面が圧倒的に少ないのが特徴です。
2. 異次元の接地感。最新の回答Q5
アメリカ開発のQ5は、近年の大排気量スポーツバイクに最適な「剛性の塊」です。
- 体感の変化: Q5を履いてサーキットを走ると、縁石付近の荒れた路面すらフラットに感じさせる圧倒的な剛性があります。深いバンク角での安定性は、まさに「レールの上を走っている」感覚そのものです。
3. プロダクションレースの血統α-13SP
本気でタイムを削りたいなら、公道走行可能という枠を超越したα-13SPが選択肢に入ります。
- 注意点: ライフ(寿命)は決して長くありません。しかし、その「旬」の時期に見せる旋回性能は別格です。コーナーの立ち上がりでアクセルを大きく開けたとき、リアが逃げずにグイグイと車体を前に押し出す瞬発力は、一度味わうと戻れません。
寿命とグリップのジレンマをどう乗り越えるか
「ハイグリップはすぐ減るから…」と敬遠するのはもったいない。確かにα-14でも、激しい走り方をすれば5,000km持たないこともあります。
しかし、その数千キロで得られる「転倒のリスク回避」と「ライディングの上達スピード」を考えれば、コストパフォーマンスは決して悪くありません。滑る恐怖と戦いながら走る1万キロより、路面と対話しながら駆け抜ける5,000キロの方が、ライダーとしての経験値は圧倒的に高まります。
結論:あなたのステージはどこにある?
タイヤは、バイクが唯一路面と接しているパーツです。その数平方センチメートルの接地面に、ダンロップの100年を超える情熱が詰まっています。
次の交換時期、あなたのバイクにダンロップの魔法をかけてみてはいかがでしょうか。景色が、そして走りの質が、間違いなく変わるはずです。


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