「今日のネット、なんだか高く感じない?」
オムニコートやハードコートに足を踏み入れたとき、ふとそう感じたことはありませんか。実はその感覚、気のせいではありません。センターストラップの緩みや設置ミスで、ネットの高さが数センチずれていることはザラにあります。たかが数センチ、されど数センチ。その差が「あと一歩でネットを越えない」という絶望のミスを生むのです。
今回は、メジャーがなくても手元のラケットでネットの高さをぴたりと合わせるプロ直伝の計測法から、高さ別の打点攻略、さらには子供の身長に合わせたラケット選びまで、「高さ」にまつわるテニスの知恵を私の体験談を交えてお届けします。
1. 練習・試合前に必須!ラケットを使ったネット計測術
テニスコートのネットの高さは、中央(センター)で0.914mと決められています。しかし、わざわざ計測用のメジャーを持ち歩いている人は稀でしょう。そこで役立つのが、あなたのテニスラケットです。
「縦1本+横1本」の目安を自分のラケットで知る
一般的な大人用のラケット(27インチ)は、長さが約68.5cmです。これを1本立てただけでは足りません。多くのプレイヤーは以下の方法で簡易計測しています。
- ラケットを1本、垂直に立てる。
- その上にもう1本のラケットを「横」にして重ねる。
- その合計の高さが、ネットのセンターと同じかどうかを確認する。
ただし、ラケットのフレームの厚みやフェイスの大きさによって微妙に誤差が出ます。私の実体験としておすすめなのは、「自分のラケットのガットの何本目が0.914mか」を一度自宅で測っておくことです。「ラケット1本+ガットの12本目まで」といった具合に自分だけの基準を持っておけば、どんなコートでも一瞬でプロの環境を再現できます。
以前、大事な草トーナメントの初戦で、妙にセンターへのネットミスが続いたことがありました。チェンジコートの際にこっそりラケットを立ててみると、なんとネットが3cmも高かったのです。ストラップを締め直した後のセットでは、嘘のようにショットが安定しました。道具を疑う前に、まずは環境を疑う。これがテニスの上達への近道です。
2. 「打点の高さ」を制する者は、ミスを劇的に減らす
テニスにおいて、ボールを捉える高さは常に変化します。特に日本人に多い「高い打点が苦手」という悩み。これを解決するには、腕の力ではなく、ラケットの面と「体の角度」の関係を理解する必要があります。
高い打点:肩のラインを斜めにする
チャンスボールを叩きつけようとして、手首だけで面を被せていませんか? これがネットミスの最大の原因です。高い打点で打つときは、テニスシューズでしっかり踏ん張り、打つ瞬間に利き腕側の肩を少し高く保つイメージを持ちましょう。
低い打点:ラケットヘッドの「重み」を使う
逆に低い打点では、膝を曲げるのはもちろんですが、テニスラケットのヘッドを地面ギリギリまで思い切って落とすことが重要です。私は昔、低いボールを持ち上げようとして無理に手首をこね、ひどいテニス肘を経験しました。ヘッドを落とし、下から上へのスイング軌道を確保すれば、軽い力でもボールはスピンでネットを越えてくれます。
3. 【ジュニア】子供の「身長」とラケットの「高さ」の関係
お子さんにテニスを教える際、最も避けたいのが「大は小を兼ねる」という考え方で大人用のラケットを渡すことです。ラケットが長すぎると、重心が遠くなり、子供の細い手首に過度な負担がかかります。
身長とラケットサイズ(インチ)の目安は以下の通りです。
| 身長(目安) | ラケットの長さ(高さ) |
| 90〜105cm | 19〜21インチ |
| 105〜120cm | 23インチ |
| 120〜130cm | 25インチ |
| 130〜145cm | 26インチ |
フィッティングの体験的コツ:
子供に真っ直ぐ立ってもらい、ジュニア用テニスラケットのグリップを握って腕を下にだらんと下げさせます。そのとき、ラケットの先端(ヘッド)が「くるぶし」のあたりに来るのが理想的な長さです。地面についてしまうようでは長すぎ、スイング時に地面を叩いて手首を痛めるリスクが高まります。
4. まとめ:高さを意識すればテニスは変わる
テニスにおける「高さ」は、戦略そのものです。
ネットの高さを正しく知り、自分の打点の高さをコントロールし、自分に合った高さの道具を選ぶ。この3つを意識するだけで、あなたのテニスはもっと論理的で、ミスの少ないものに進化するはずです。
次にコートへ行くときは、ぜひ自分のテニスラケットをネットに立ててみてください。その数センチの確認が、勝利を手繰り寄せる一歩になるかもしれません。
この記事の内容をもとに、テニス練習機を使って自宅で打点の高さを確認する練習を始めてみてはいかがでしょうか?


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