テニスのプレーにおいて、ラケット本体と同じくらい、あるいはそれ以上に重要なのがガットの「テンション(張りの強さ)」です。「飛距離が安定しない」「肘が痛む」といった悩みの原因は、実はラケットではなくテンションの設定ミスにあることが少なくありません。
今回は、私が20年間のテニス人生で試行錯誤してたどり着いた、失敗しないテンション選びの極意を、リアルな体験談と共にお伝えします。
1. テンションの基本:今のスタンダードは「少し低め」
テンションはポンド(lbs)という単位で表されます。かつては55〜60ポンドといった高テンションが主流でしたが、最近はバボラ ピュアドライブのようなラケット自体の反発性能が向上したため、45〜50ポンドあたりで張るのが今の「黄金設定」と言えます。
- 一般男性: 45〜52ポンド
- 一般女性: 40〜48ポンド
- ジュニア: 35〜45ポンド
「まずは真ん中の48〜50ポンドで張ってみる」のが、自分に合う数値を見つけるための最短ルートです。
2. 「高い vs 低い」どっちがいい?使用感のリアルな違い
テンションを変えると、打感は驚くほど変わります。それぞれのメリットと、私が実際に感じた「本音の感想」をまとめました。
テンションを高く(硬く)張る場合
コントロールを重視したい中上級者や、スイングスピードが速いプレーヤーに向いています。
- メリット: 面がブレず、叩いてもバックアウトしにくい。
- デメリット: 自分の力で飛ばす必要がある。芯を外した時の衝撃がダイレクトに来る。
- 体験談: 「昔、プロに憧れて58ポンドで張ったことがありますが、板で打っているような感覚で全くボールが飛ばず、1週間で手首を痛めました。体力に自信がない限り、高すぎる設定は禁物です。」
テンションを低く(緩く)張る場合
楽に飛ばしたい人や、タッチショット(ボレーなど)を安定させたい人に向いています。
- メリット: トランポリンのようにボールを弾き、少ない力で深い球が打てる。
- デメリット: フルパワーで打つと、意図せずボールが浮いてしまうことがある。
- 体験談: 「思い切って40ポンドまで落としてみたら、驚くほどスピンがかかるようになりました。ガットがたわむ時間が長くなるので、ボールを『掴んで投げる』感覚になり、非力な私でも重いショットが打てるようになったんです。」
3. 季節で変えるのが「通」のやり方
実は、テンションは一年中同じで良いわけではありません。テニスは環境に左右されるスポーツだからです。
- 夏場(気温30度以上): 暑さでガットが伸び、さらに空気抵抗も減ってボールが飛びやすくなります。私は夏だけ、普段より2ポンド上げてルキシロン アルパワーを張るようにしています。
- 冬場(気温10度以下): ガットもボールもカチカチに硬くなります。「飛ばないし、打感が重い」と感じたら、迷わず3ポンドは下げましょう。冬に無理して硬いまま打つと、テニス肘のリスクが急増します。
4. 失敗しないための「テンション診断」チェックリスト
今の自分の状態に合わせて、次の張り替え時に数値を微調整してみましょう。
| 今の悩み | 対策(次の張り替え) |
| ボールがバックアウトしがち | 2ポンド上げる |
| 浅いボールが多く、ネットにかかる | 2ポンド下げる |
| ボレーが飛ばず、足元に沈められる | 3ポンド下げる |
| 打球音が「ボコッ」としていて気持ち悪い | 2ポンド上げる |
| 腕や肩に疲れが溜まりやすい | 5ポンド下げる |
5. まとめ:ガットの「賞味期限」を忘れないで
どんなに最適なテンションで張っても、ガットは時間とともに緩みます。
週に1〜2回のプレーなら、**「3ヶ月」**が限界です。見た目に切れていなくても、弾力(コシ)がなくなったガットは、もはや本来の性能を発揮できません。
テニス ガット 張り機でこまめにメンテナンスするショップ店員さんと相談しながら、自分だけの「魔法のポンド数」を見つけてください。テンションが決まった瞬間、あなたのテニスは劇的に進化するはずです。
次に、あなたのラケットの機種に合わせた「おすすめのガットの種類」についても詳しく解説しましょうか?


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