「お気に入りのラケット、最近なんだか打球感が重くなった気がしませんか?」あるいは「テニスバッグの中に数日間入れっぱなしにしていませんか?」
テニスラケットは繊細な精密機械のようなものです。メンテナンスを怠ると、高価なラケットもたった1年で「ただの板」のように飛ばなくなってしまいます。逆に、正しいケアさえ知っていれば、その最高のパフォーマンスを2倍、3倍と長持ちさせることが可能です。
今回は、私が過去に10本以上のラケットをダメにして学んだ「後悔の教訓」と、現役プレイヤーとして実践している、上達を支えるメンテナンス術を余すことなくお伝えします。
【体験談】手入れをサボって起きた「3つの悲劇」
まずは、私が実際に経験した「やってはいけない」失敗談からお話しします。これを知るだけで、あなたのラケットの寿命は確実に延びるはずです。
悲劇1:真夏の車内放置でフレームが歪んだ…
あれは8月の猛烈な暑さの日でした。練習後に面倒くさくなってラケットを車のトランクに一晩放置。翌日、打ってみると妙な違和感が。なんと、車内の高温でガットの張力にフレームが耐えきれなくなり、目視でもわかるほどフレームが歪んでしまっていました。もちろん、修理不能で即買い替え。数万円が一日で飛びました。
悲劇2:グリップの放置で異臭とカビが発生
「まだ滑らないし大丈夫」と、半年間一度もグリップテープを替えずに使い続けたことがあります。ある日、めくってみて絶句しました。汗が元グリップまで浸透し、真っ黒なカビが発生していたのです。異臭はもちろん、手が荒れる原因にもなりました。
悲劇3:砂を放置してフレームが削れた
オムニコートでプレーした後、フレームに付いた砂を払わずにバッグへ。ガットとフレームの隙間(グロメット)に入り込んだ砂が、打球の衝撃でヤスリのようにフレームを削り、結果としてガットが異常に切れやすくなってしまいました。
【基本】これだけでOK!練習後5分のアフターケア
高価な道具を揃える必要はありません。練習後のわずか5分の習慣が、ラケットの「鳴り」を変えます。
- フレームの乾拭き:汗や砂、コートのクレー汚れは劣化の元です。マイクロファイバークロスを使って、フレーム全体を優しく拭き上げましょう。これだけで塗装の光沢が維持されます。
- ガットの目直し:打球によってズレたガットを元の格子状に戻します。放置すると特定の箇所に負荷がかかり、寿命を縮めます。指で整えるのが面倒な方はストリンググライドのような潤滑剤を使うと、目直しが楽になりスピン性能も維持できます。
- 隙間の砂出し:100円ショップの歯ブラシで十分です。グロメット周りの砂をさっと掃き出すだけで、ガットの「食い込み」による断裂を防げます。
【重要】消耗品を交換する「本当の」タイミング
「まだ使える」は上達の敵です。以下の基準でメンテナンスを行いましょう。
グリップテープ
「滑る」と感じたら遅すぎます。吸いつくような感覚がなくなった時が交換時です。私は週2回のプレーで、夏場は2週間に1回、冬場でも1ヶ月に1回はヨネックス ウェットスーパーグリップを巻き直します。新しいグリップは、無駄な握力を排除してくれるので、ショットの精度が劇的に上がります。
ガット(ストリング)
「切れるまで使わない」のが中上級者の常識です。ガットは張った瞬間から劣化(テンションロス)が始まります。ポリガットなら1ヶ月、ナイロンなら3ヶ月が限界です。飛ばなくなったラケットで無理に打つと、肘を痛める原因になります。
【差がつく】上級者が実践しているラケット保管術
バッグの選び方一つで、ラケットのコンディションは変わります。
- サーモガード付きバッグの活用:プロのバッグの内部が銀色なのはおしゃれではありません。熱を遮断するためです。バボラ テニスバッグのようなサーモ機能付きケースに入れ、急激な温度変化から守りましょう。
- 雨の日の後は「全出し」:雨中でプレーした後は、バッグからラケット、シューズ、ウェアをすべて出しましょう。湿気はウッド部分(グリップ内部)を腐らせ、ラケットを重くしてしまいます。
寿命のサイン?「買い替え」を見極めるチェックリスト
どんなに手入れをしても、ラケットには寿命があります。
- 打球音の変化: フレームを軽く叩いて、以前より「鈍い音」がしませんか?
- 塗装の剥がれ: 激しい擦れや深い傷は、カーボン繊維の断裂を招いている可能性があります。
- バイブレーションの増加: 振動止めを付けても手首に響くようになったら、フレームの剛性が落ちているサインです。
道具を大切にする心は、必ずプレーに現れます。一本一本のショットを丁寧にするように、練習後のラケットも丁寧に扱ってあげてください。
次のお手伝いとして、あなたのプレースタイルに合わせたテニスガットの選び方や、さらに詳しいグリップの巻き方のコツを解説することも可能です。いかがでしょうか?


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