「サーブを打つたびに、肩甲骨の裏側にズキッとした痛みが走る……」
「テニス肘だと思っていたけれど、実は肩甲骨の硬さが原因だった」
テニスに打ち込む人にとって、肩甲骨のトラブルは単なる「疲れ」では済まされない死活問題です。私自身、30代半ばでテニスに再熱した際、右肩甲骨周りの鈍痛に悩まされ、一時期はラケットを握るのも億劫になるほどでした。しかし、その痛みこそが「正しい体の使い方」を学ぶ最大のヒントだったのです。
本記事では、私が実際に経験した痛みからの脱却プロセスと、パフォーマンスを劇的に向上させた肩甲骨ケアの真実を、リアルな体験ベースで詳しくお届けします。
痛みの正体は「肩甲骨のロック」だった
私が最初に違和感を覚えたのは、真夏の市民大会に出場した時でした。セットが進むにつれ、肩甲骨の内側(背骨との間)がパンパンに張り、腕が思うように上がらなくなったのです。無理にパワーで押し込もうとした結果、翌朝には深呼吸をするだけで背中に響くほどの激痛が走りました。
整骨院で告げられた診断は、技術不足ではなく「肩甲骨の可動域制限」によるオーバーユース。デスクワークで固まったPCモニターを眺める生活のまま、週末にいきなりフルスイングを繰り返したことで、肩甲骨が肋骨にへばりつく「ロック状態」になっていたのです。
この状態では、肩関節だけでラケットを振ることになり、怪我のリスクが数倍に跳ね上がります。テニスにおける肩甲骨は、いわば「パワーを増幅させるエンジン」であり、ここが動かないことはエンジンを切って坂道を登るようなものだったのです。
体験から分かった、テニス特有の「肩甲骨トラブル」3つの予兆
もしあなたが以下の症状に一つでも心当たりがあるなら、それは肩甲骨からのSOSかもしれません。
- サーブの打点が以前より下がってきた肩甲骨がスムーズに上方回旋(外側に回りながら上がること)していない証拠です。
- フォアハンドで「タメ」が作れない肩甲骨を寄せる(内転)動きが制限されると、手打ちになり、ボールの威力が極端に落ちます。
- プレー後、首から背中にかけて鉄板が入ったように固まるこれは肩甲骨周りの筋肉が、不自然なスイングを支えようとして過度に緊張しているサインです。
劇的に改善した「肩甲骨はがし」とケアアイテムの活用
私が痛みを克服し、以前よりもサーブの球速を上げることができたのは、日々の「意識改革」と「道具の活用」があったからです。
まず取り入れたのが、お風呂上がりの動的ストレッチ。単に腕を回すのではなく、反対の手で肩甲骨の縁を触りながら、骨が動いていることを脳に認識させる作業を繰り返しました。また、自分では届かない背中の深層筋をほぐすために、フォームローラーを導入したことも大きな転換点でした。練習前にこれを使って背中を数分転がすだけで、テイクバックの深さが驚くほど変わります。
さらに、デスクワーク中も姿勢が崩れないよう姿勢矯正クッションを使用し、肩甲骨が常に外側に開きっぱなしになる「巻き肩」を防ぐよう意識しました。
実践:ショット別・肩甲骨を武器にする意識
痛みから解放された後、私のテニスは「力み」が取れ、しなやかさが加わりました。
- サーブの意識:腕を振り上げるのではなく、左肩甲骨を下げて右肩甲骨を高く押し上げる。この「入れ替え」を意識するだけで、ジャンプしなくても高い打点から打ち下ろせるようになります。
- バックハンド(片手・両手共通):テイクバック時に肩甲骨を「剥がす」ように前に出し、インパクトに向けて一気に引き寄せる。この可動域の差が、そのままボールの「伸び」に直結します。
最後に:あなたの肩甲骨はまだ「眠っている」だけ
テニスによる肩甲骨の痛みは、裏を返せば「そこを使えばもっと上手くなれる」という体からのメッセージです。私自身、痛みを知る前よりも、ケアを覚えた今の方がはるかに力強いボールを打てています。
まずは、自分の背中に手を回してみてください。もし指が肩甲骨に引っかからないほど固まっているなら、今日からマッサージボール一つでも良いのでケアを始めてみてください。
自由自在に動く肩甲骨を手に入れた時、あなたのテニスは技術の壁を越え、一段上のステージへと進化するはずです。怪我を恐れず、全力でコートを走り回れる喜びを、ぜひ取り戻しましょう。


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