「トアルソン?ああ、ガットのメーカーでしょ」
もしあなたがそう思っているなら、少しだけ損をしているかもしれません。テニス歴20年、数々のブランドを渡り歩いてきた筆者が断言します。トアルソンのラケットは、大手ブランドの「万人受け」とは一線を画す、使い手の意志をボールに伝える「精密機械」のような道具です。
今回は、実際にコートで数千球を打ち込んだ体験をもとに、トアルソン製ラケットの真実を語り尽くします。
実際に打ってわかった「トアルソンらしさ」の正体
多くの人が抱く「トアルソン=玄人向けで硬い」というイメージ。しかし、最新のS-MACH TOUR V5を手に取った瞬間、その偏見は心地よく裏切られました。
インパクトの瞬間、フレームが不快に震える感覚が一切ありません。これは振動吸収素材「KRAIBON(クライボン)」の恩恵ですが、単に「柔らかい」のとは違います。手のひらに伝わる情報はクリアなのに、肘や手首への嫌な衝撃だけが消えている。この「情報の取捨選択」ができる設計こそが、ストリングメーカーとして蓄積されたトアルソンの技術力なのだと痛感しました。
独自インプレ:主要モデルで見える別世界
1. S-MACH TOUR シリーズ
いわゆる「黄金スペック」に近い構成ですが、バボラのピュアドライブなどと比較すると、打感の「しっとり感」が際立ちます。
- 体験談: 走らされてギリギリで触ったスライスが、驚くほど深く粘ってくれました。フレームがボールを一度グッと受け止めてくれる感覚があるため、攻め込まれた時の安心感が抜群です。
2. OVR108
「デカラケ=飛ぶだけでコントロールが効かない」という常識を覆す一本です。
- 体験談: ダブルスのボレーボレーで、相手の強打に負けずに面が安定します。面が大きい分、スイートスポットが広く、多少芯を外しても「何事もなかったかのように」返球できるのは、まさに魔法のようです。
3. Forty Love
今や絶滅危惧種となりつつある、美しいボックス形状のラケット。
- 体験談: 正直、楽はさせてくれません。しかし、厚い当たりでボールを潰した時の「パチン!」という乾いた音と、狙ったライン上に糸を引くように飛んでいく弾道は、他のラケットでは決して味わえない快感です。
賢い組み合わせ:トアルソン自社ガットとの相性
トアルソンのラケットを使うなら、やはりガットも同社で揃えるのが正解です。特にアスタリスタアーマードとの組み合わせは、フレームのホールド感とガットの弾きが見事に調和します。
もし、エグいスピンを求めるならレンコン・デビルスピンを試してください。あの独特な形状がボールに噛み込み、スイングスピードが上がるほどに「落ちる」弾道を実現してくれます。
まとめ:あなたは「道具」に何を求めるか?
トアルソンのラケットは、派手な広告やプロの契約数で選ぶものではありません。
- 「自分のスイングをそのままボールに伝えたい」
- 「不快な振動で体を壊したくない」
- 「コートで他人と被りたくない」
そんなこだわりを持つプレーヤーにとって、これほど信頼できる相棒は他にいないでしょう。一度その「精密な打感」を味わってしまったら、もう元のラケットには戻れなくなるかもしれません。
まずは、あの独特の安心感を持つS-MACH TOUR V5から、あなたのテニスを変えてみませんか?
次の一歩として、あなたのプレースタイルに合わせた具体的なガットのテンション設定をシミュレーションしてみましょうか?


コメント