テニスコートに立つとき、ふと「宮本武蔵のように左右の手でラケットを操れたら最強ではないか?」と妄想したことはありませんか。あるいは、試合会場でベテラン選手たちが同じラケットを何本もバッグに忍ばせているのを見て、「なぜそんなに持つの?」と不思議に思ったこともあるでしょう。
今回は、テニスにおける「2本持ち」のルールと、実際の試合現場で求められる「2本持ち」の常識について、私の苦い実体験を交えながら深掘りしていきます。
プレー中の「二刀流」は明確なルール違反!
まず、誰もが一度は夢見る(?)「両手にラケットを持ってプレーする」スタイル。結論から言うと、これは公式ルールで禁止されています。
国際テニス連盟(ITF)の規定では、プレーヤーがプレー中に使用できるラケットは1本のみと定められています。もし両手にラケットを持ってポイントを開始しようものなら、即座にルール違反を宣告されてしまいます。
実は私も学生時代、悪ふざけで2本のラケットを持ってボレー練習をしてみたことがあります。しかし、やってみて痛感したのは「全く実用的ではない」ということ。ラケット同士がぶつかってフレームが傷つきますし、何より重すぎてクイックな動きができません。テニスは体全体のひねりをボールに伝えるスポーツなので、両手が塞がっていると体幹が使えず、ただの「羽子板」以下の威力しか出せないのです。
試合に2本以上持ち込むのは「最低限のマナー」
一方で、試合に出る際、テニスバッグに2本以上のラケットを入れておくことは、ルール違反どころか**「勝つための常識」**です。
なぜ、同じモデルのラケットを複数用意する必要があるのでしょうか。それは、テニスにおいて最も恐ろしいトラブルの一つ「ガット切れ」に対処するためです。
私が経験した「1本持ち」の悲劇
あれは私が初めて草トーナメントのシングルスに出場した時のことです。当時は「1本あれば十分だろう」と高を括り、お気に入りのテニスラケット1本だけで会場へ向かいました。
試合中盤、激しいラリーが続いた瞬間に「バチーン!」という嫌な音が響きました。ガットが切れたのです。予備を持っていない私は、運営の方に無理を言って古い貸し出し用ラケットを借りましたが、重さもグリップサイズもバラバラ。結局、感覚が全く合わずにその試合を落とすことになりました。
あの時の無力感といったらありません。それ以来、私は必ずバボラ ピュアドライブのような信頼できるモデルを最低2本は揃えてコートに入るようにしています。
「両手打ち」と「二刀流」の境界線
「2本持ちがダメなら、両手バックハンドはどうなの?」と思う初心者の方もいるかもしれません。もちろん、1本のラケットを両手で保持して打つことは100%合法です。
また、世の中には「左右どちらの手でもフォアハンドが打てる」という、ラケットを瞬時に持ち替えるスイッチヒッターのようなプレーヤーも存在します。これも、使用しているラケットが1本であればルール上全く問題ありません。左右に振られた時にラケットを持ち替えてリーチを稼ぐ姿は、まさに現代の二刀流と言えるかもしれませんね。
2本揃えるなら「スペックの同期」を忘れずに
もしあなたがこれから2本目のラケットを購入しようと考えているなら、単に同じ名前のモデルを買うだけでは不十分です。
テニスラケットには個体差があります。本気で勝ちたいのなら、購入時に「ウェイト(重さ)」や「スイングウェイト」を計測し、極力数値が近いものを選ぶのがベストです。そして、ガットの種類やテンションも揃えておくこと。
ヨネックス ポリツアープロのようなガットを両方に張り、数試合ごとに交互に使うことで、どちらのラケットを手に取っても同じ感覚でプレーできる「バックアップ体制」が整います。
まとめ:正しい「2本持ち」で勝利を引き寄せよう
テニスにおける2本持ちは、プレー中には「禁じ手」ですが、バッグの中には「必須装備」です。
ルールを正しく理解し、万全の準備を整える。それこそが、コート上でパニックにならず、自分のプレーに集中するための第一歩です。皆さんも、次の試合前にはぜひテニスバッグの中身を確認してみてください。予備の1本が、あなたのピンチを救うヒーローになるはずです。
次にお手伝いできることはありますか?
例えば、試合でガットが切れた際のより詳細なペナルティ規定や、2本目のラケットをお得に揃えるための中古選びのコツなどを解説することも可能です。


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