「ガシャッ!」とコートにラケットをぶつけてしまった瞬間、頭が真っ白になりますよね。慌ててフレームを確認して、細い線のようなものを見つけた時の絶望感。それが単なる「塗装の傷」なのか、致命的な「ヒビ(クラック)」なのかで、その後のテニスライフは大きく変わります。
今回は、数多くのラケットを破壊(?)し、違和感を抱えたままプレーを続けた筆者の苦い体験談を交えながら、ヒビの見分け方とリスクについて詳しく解説します。
これってヒビ?塗装剥げ?見極める5つのサイン
お気に入りのテニスラケットに傷がついたとき、まずは落ち着いて以下のセルフチェックを行ってみてください。
- 【見た目】傷の方向をチェック単なる塗装剥げは表面が削れたような跡になりますが、ヒビの場合は「髪の毛のような細い線(ヘアライン)」が、カーボンの層に沿って、あるいは垂直に深く入っています。爪で優しくなぞってみて、引っかかるような感覚があれば要注意です。
- 【打球音】「濁り」がないか耳を澄ませるいつも通りの快音ではなく、「パキッ」「バイーン」といった、どこか力が抜けるような、あるいは金属が共鳴するような濁った音が混じり始めたら、内部崩壊のサインかもしれません。
- 【振動】手首に残る不快なピリピリ感振動止めをつけているのに、打った瞬間に手首や肘に「ズン」と響くような重い振動が残る場合、フレームの剛性が失われている可能性が高いです。
- 【音のチェック法】コンコン診断ラケットのフレームの頭を、手のひらや柔らかいカーペットの上で軽くポンポンと叩いてみてください。正常なら「コンコン」と乾いた音がしますが、ヒビがあると「ビビビ…」と何かが震えるような音が混じります。
- 【ストリンガーの判断】最も確実なのは、ガットの張り替えに出すことです。プロのストリンガーはガット張り機にかける際、フレームの歪みをシビアに見ます。「これ、ヒビがあるので張れません」と言われたら、それは引退勧告と同義です。
【体験談】ヒビが入ったラケットを使い続けた結果の悲劇
「まだ使えるだろう」という甘い考えが、結果的に高い代償を払うことになった私の体験談をお話しします。
1. 「なんか飛ばない」からフォームが崩壊
ある日、愛用のラケットに小さなヒビを見つけましたが、そのまま試合に出続けました。不思議なことに、徐々にボールが飛ばなくなるんです。無意識にそれを補おうとして力みが生じ、気がつけばフォームがバラバラに。「道具のせい」にしたくなかったのですが、新品の同じラケットに持ち替えた瞬間、驚くほどスムーズにボールが飛んでいきました。
2. 突然の「フレーム折れ」の恐怖
練習中、それほど強くないボールを返した瞬間に「バキッ!」という派手な音がしました。ヒビが悪化し、ガットの張力に耐えきれなくなったフレームが完全に破断したのです。切れたテニスガットが跳ね上がり、あわや顔に当たりそうになるという恐怖を味わいました。
3. 謎の「テニス肘」発症
ヒビが入ったラケットは、衝撃吸収性能が極端に落ちます。私は一時期、原因不明のテニス肘に悩まされましたが、今思えばあれは「死んだラケット」を使い続け、ダイレクトに振動を受け続けたことが原因でした。エルボーサポーターを買う前に、ラケットを疑うべきだったのです。
なぜヒビが入るのか?意外な原因と寿命
- 物理的衝撃: 言わずもがな、地面やペアとの接触。特にダブルスでのテニスラケット同士の衝突は致命傷になりやすいです。
- オーバーテンション: 推奨ポンド数を超えた無理な張り上げは、常にフレームに「悲鳴」をあげさせている状態です。
- 中折れ(素材の寿命): 外見は無傷でも、数年使い込むと内部のカーボン繊維が剥離する「中折れ」が発生します。週3回以上プレーする人なら、2年程度が性能の限界と言われています。
- 過酷な保管環境: 真夏の車内放置は厳禁です。高温でエポキシ樹脂が変質し、強度が著しく低下します。
ヒビが入ったら修理はできるのか?
結論から言うと、テニスラケットのフレーム修理はおすすめしません。
カーボンを継ぎ足して補強する専門業者も存在しますが、重さやバランス、しなり具合が元の状態とは別物になってしまいます。エッジガードなどの保護テープで隠せるのは、あくまで「表面の塗装欠け」までです。構造的なヒビは、残念ながら買い替えのサインです。
まとめ:安全と上達のために「潔い買い替え」を
違和感を抱えたままプレーを続けるのは、ブレーキが故障した車で高速道路を走るようなものです。
もしあなたのラケットにヒビの疑いがあるなら、まずは信頼できるショップの店員さんに見てもらってください。もし買い替えを勧められたら、それは新しい技術やスペックに触れ、自分のテニスをアップデートする絶好のチャンスです。
最新のヨネックスやバボラのラケットを手に取ってみれば、その進化と快適さに、もっと早く買い替えればよかったと思うはずですよ。
怪我を防ぎ、最高のパフォーマンスを出すために。あなたの右腕となる相棒を、今一度厳しくチェックしてみてください。
次の一手として、最新の人気ラケットの比較記事を作成しましょうか?あるいは、ラケットを長持ちさせるためのメンテナンス方法について詳しく解説しますか?


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