テニスの試合中、相手の深いショットに追い詰められて体勢を崩したり、単調な打ち合いで先にミスをしてしまったりすることはありませんか?そんな時に状況を一変させてくれるのが「スライス」です。しかし、いざ打ってみると「ボールがふわっと浮いてチャンスボールになってしまう」「ネットに突き刺さる」と悩む方も多いはず。
実は、スライスはパワーではなく「感覚」と「膝の使い道」さえ掴めば、驚くほど安定します。今回は、私が長年試行錯誤して辿り着いた、実戦で本当に使えるスライスの習得法を、生身の体験談を交えて余すことなくお伝えします。
なぜスライスが必要なのか?3つの大きなメリット
スライスは単なる守備のためのショットではありません。これを習得すると、テニスの戦略が劇的に広がります。
- 滞空時間を作って体制を立て直せる(守備): 追い込まれた際、高い軌道のスライスで時間を稼げば、センターポジションに戻る余裕が生まれます。
- 低いバウンドで相手に強打させない(攻撃・牽制): 滑るようなスライスは打点が低くなるため、相手は持ち上げるようなスイングを強いられ、強打が難しくなります。
- ドロップショットやアプローチへの応用: スライスのタッチを覚えれば、ネット際に落とすドロップショットも面白いように決まるようになります。
【体験談から導く】スライスを打つ時の「正しい感覚」と握り方
私がスライスに悩み始めた当初、最大のミスは「薄く握りすぎていたこと」でした。
グリップの基本
基本はテニスラケットを包丁のように持つ「コンチネンタルグリップ」です。
筆者の体験エピソード
当初、私は「回転をかけなきゃ」と意識しすぎて、指先だけでラケットを転がすように持っていました。結果、インパクトで面がグラつき、ボールに力が伝わりませんでした。
ある時、コーチから「人差し指の付け根でしっかりグリップを支え、手のひら全体でボールを運ぶ感覚を持って」と助言され、握り方を安定させたところ、ボールが重くなり、滑るような回転がかかるようになったのです。
【ステップ別】浮かない・滑るスライスの打ち方
スライスが浮いてしまうのは、上から下に「叩きすぎ」ているのが原因です。
- テイクバック: 左手をラケットの喉元に添えて、しっかりと肩を入れます。この時、ラケットヘッドを立てるのがコツです。
- スイング軌道: 「上から下」ではなく、「斜め後ろから斜め前」へ、ボールの斜め下を厚く捉えて押し出すイメージです。
- フォロースルー: 打った後、面が真上を向かないように注意しましょう。テニスボールをラケットの上で30cmくらい転がして運ぶような気持ちで振り抜きます。
多くの人が陥る「スライスの失敗」と解決策
「スライスが苦手」という方の多くが共通して陥るポイントがあります。
- ボールが浮いてしまう原因: インパクトの瞬間に手首をこねて、面が寝てしまっています。
- 解決策: 手首を固定し、テニス練習機などを使って「面を動かさない感覚」を体に覚え込ませましょう。
- ネットに突き刺さる原因: 膝を使わず、棒立ちで上体だけで打ち込んでいます。
- 体験的解決法: 私は「ボールと同じ高さまで目線を下げる」ことを徹底しました。膝を深く曲げ、低い姿勢からボールを前に押し出すだけで、ネットミスは劇的に減りました。
【実戦編】試合で効果的なスライスの使い方
スライスを覚えると、試合運びが格段に楽になります。
- 深いスライスで時間を稼ぐ: 苦しい時はとにかく深く。相手をベースラインに釘付けにします。
- 短いスライスで相手を前に出す: 相手がベースラインプレーヤーなら、わざと短く打ってネットプレーを強要させ、ミスを誘います。
- サービスリターンでの活用: 相手の速い第一サーブに対し、スライス面で合わせるだけで、確実にコートの深くへ返すことができます。
筆者が感じた「スライスが武器になった瞬間」
かつての私は、ハードヒットすることばかり考えて自滅するタイプでした。しかし、スライスで緩急をつけ、相手に「打たされる」状況を作れるようになってから、格上の相手にも勝てるようになりました。「相手の嫌がることをする」というテニスの本質を、スライスが教えてくれたのです。
まとめ
スライスは決して難しいショットではありません。力まず、コンチネンタルグリップで正しく握り、膝を使ってボールを運ぶ。この感覚さえ掴めば、あなたのテニスはもっと自由で、戦略的なものになるはずです。
まずは壁打ちで、ボールが「シュッ」と低く滑る音を聞くことから始めてみてください。その音こそが、あなたがスライスをマスターした証拠です。


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