テニスの試合に出始めたばかりの頃、誰もが一度は「今の、アウトだったかな?」と不安に駆られた経験があるはずです。セルフジャッジは単なるルールではなく、プレーヤー同士の信頼関係の上に成り立つ「紳士・淑女の約束」です。しかし、実際には判定を巡って険悪なムードになったり、試合後にモヤモヤした気持ちが残ったりすることも少なくありません。
今回は、セルフジャッジの基本ルールから、現場で役立つマナー、そして実際にあったトラブル体験談を交えた「揉めないための解決策」を徹底解説します。
テニスのセルフジャッジとは?基本の考え方
セルフジャッジの根本的な原則は、「自分のコート側の判定はすべて自分(または自分のペア)が行う」ということです。ここで最も大切な鉄則は、**「迷ったらイン」**です。
ボールがラインに触れたか確信が持てないとき、あるいは速すぎて見えなかったときは、すべて相手のポイントとして処理しなければなりません。判定に「たぶんアウト」は存在しません。「100%アウト」と断言できない限り、それはインなのです。
初心者のうちは「勝ちたい」という気持ちが先行し、無意識に自分に有利な判定をしてしまいがちですが、視覚情報は想像以上に不正確なもの。相手からの視点と自分の視点が異なることをあらかじめ理解しておくことが、トラブル回避の第一歩となります。
【ケース別】間違いやすいセルフジャッジのルール
具体的なジャッジの方法についても、正しい作法を知っておく必要があります。
- アウト・フォールトのコール判定は「即座に」行うのがルールです。少し間を置いてから「アウト」と言うのは、相手に不信感を与えます。また、声だけでなく人差し指を空に向けるハンドシグナルを併用しましょう。強風や周囲のコートの音がうるさい場合、声だけでは届かないことが多いからです。
- フットフォールトサーブの際にラインを踏んでしまうフットフォールトは、実はセルフジャッジでは「相手が指摘すること」は基本的にできません。明らかな違反を見つけた場合は、ロービング・アンパイアを呼ぶのが正解です。
- ノットアップ(2バウンド)とタッチこれらは「自己申告」が基本です。ラケットがネットに触れた、あるいは身体にボールが当たった場合、相手が気づいていなくても自分からポイントを失ったことを告げるのがマナーです。
【体験談】本当にあった!セルフジャッジのトラブル事例
ここで、実際のテニスコートで起きた「あるある」な体験談を紹介します。
ケース1:ダブルスでのペアとの食い違い
ある草トーナメントの試合中、私のペアが「アウト!」と叫びましたが、私からは明らかにラインに乗っているのが見えました。相手選手は不満そうな顔。この時、私たちはすぐに話し合い、判定をインに修正してポイントを相手に譲りました。ルール上、ペアで判定が分かれた場合は「相手に有利な判定」を採用するのが正解です。これにより、その後の試合は非常にクリーンな雰囲気で進みました。
ケース2:オムニコートの砂とマーク
オムニコートではボールの跡が残りにくいですが、たまに砂が舞うことがあります。「砂が舞ったからイン」と判断しがちですが、風で砂が動いただけということもあります。ある試合で、相手が私の明らかなアウトボールをインとして返してくれたことがありました。正直に「今のはアウトでしたよ」と伝えたところ、相手も「いや、よく見えなかったのでインでいいです」と。こうした譲り合いの精神があると、スコア以上の満足感が得られます。
揉めないための「神対応」とマナーの極意
試合を円滑に進めるためには、ジャッジ以外のコミュニケーションも重要です。
- カウントを大きな声で読み上げるサーバーは、毎ポイントごとにテニス スコアボードを確認するように、明確な声でスコアをコールしてください。これを怠ると、ジャッジの不満がスコアの数え間違いと混ざり合い、大きなトラブルに発展します。
- 相手の判定を尊重するたとえ相手の判定が「絶対に間違っている」と思っても、その場では「Thank you」の精神で受け入れるのがテニスです。執拗に詰め寄ることはマナー違反であり、自分のプレーのリズムも崩してしまいます。
- セルフチェックの習慣自分の動体視力に不安があるなら、日頃から練習でジャッジの練習もしておきましょう。試合の録画をiPhoneなどで撮影し、自分の判断が客観的に正しかったか見直すのも一つの手です。
まとめ:セルフジャッジは「お互いの信頼」で成り立つ
セルフジャッジは、技術以上にその人の「品格」が問われる場面です。正しいルールを理解し、相手を尊重する姿勢を持っていれば、たとえ判定が際どいものであってもトラブルにはなりません。
「迷ったらイン」。このシンプルなルールを胸に、今日も気持ちよくコートに立ちましょう。潔いジャッジは、巡り巡ってあなたへの信頼と、素晴らしい試合展開として返ってくるはずです。


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