ボクシングジムの門を叩いたばかりの頃、誰もが最初にぶつかる壁が「道具選び」ではないでしょうか。グローブやバンテージはジムでレンタルできても、シューズだけは自分で用意しなければなりません。「専用のボクシングシューズは高いし、まずは手持ちの靴で済ませたい」と考えるのは自然なことです。
そこで候補に挙がるのがテニスシューズ。実は私も、ボクシングを始めた当初はアシックス テニスシューズをバッグに詰め込んで練習に通っていました。実際にリングで動いてみて分かった、テニスシューズを代用する際のリアルな使用感と、注意すべきポイントを赤裸々にお伝えします。
なぜテニスシューズがボクシングの代用候補になるのか
ボクシングは「拳のスポーツ」と思われがちですが、その本質は「足」にあります。前後左右への激しいステップ、そしてパンチに体重を乗せるための鋭い回転動作。こうした動きを支える機能が、テニスシューズには備わっているからです。
テニスもまた、コート上を縦横無尽に駆け回り、急ストップと急加速を繰り返す競技。そのため、横ブレを防ぐ安定性と、床をしっかり捉えるグリップ力については、ランニングシューズなどよりも遥かにボクシングに近い特性を持っています。
実際に使って感じたメリットとデメリット
私がアディダス バリケードを練習で履き潰した経験から、そのメリットとデメリットを比較表にまとめました。
| 項目 | メリット | デメリット |
| クッション性 | 足首や膝への負担が少なく、長時間跳ねても疲れにくい | 床の感触が遠く、パンチの反力を感じにくい |
| 耐久性 | ソールが頑丈で、ハードな練習でも長持ちする | シューズ自体が重く、足運びがワンテンポ遅れる |
| ホールド感 | 足首のねじれに強く、捻挫の不安が少ない | ターン(回転)の際、グリップが効きすぎて膝にくる |
最大のメリットは、やはり「足への優しさ」です。ボクシングシューズは極限までソールが薄く、初心者がいきなり履くと足の裏やふくらはぎを痛めてしまうことがありますが、テニスシューズなら適度な厚みが衝撃を吸収してくれます。
一方で、上達してくると「重さ」がネックになります。3分間のミット打ちの後半、足が上がらなくなる感覚は、専用シューズに履き替えた瞬間に劇的に改善されました。
【必読】代用する際のリスクとマナー
テニスシューズをボクシングで使うなら、絶対に無視できないリスクが2つあります。
1つ目は**「捻挫の危険」**です。テニスシューズはソールが厚いため、重心がどうしても高くなります。ボクシング特有の深い踏み込みの際、斜めに体重がかかると「カクッ」と足首をひねりやすいのです。
2つ目は**「対人練習でのマナー」**。スパーリングやマスボクシングで相手の足を踏んでしまった際、硬く厚いテニスシューズのソールは、相手の足を痛めてしまう原因になります。ジムによっては「対人練習はボクシングシューズのみ」と決まっている場合もあるため、事前にトレーナーに確認しましょう。
失敗しない代用シューズの選び方
もしこれから、ボクシング兼用としてテニスシューズを新調するなら、ミズノ テニスシューズなどの「オールコート用」か「カーペット用」を選んでください。
オムニ・クレー用(砂入り人工芝用)は、靴底に細かな突起があるため、ボクシングジムのマットや床では滑りすぎてしまったり、逆に引っかかりすぎて転倒したりする恐れがあります。表面が比較的フラットなソールを選ぶのが、ボクシングとの相性を高める秘訣です。
結論:切り替えるタイミングはいつ?
「とりあえず1ヶ月体験してみたい」という段階なら、テニスシューズでの代用は賢い選択です。しかし、週に2〜3回と通う頻度が増え、本格的にジャブやワンツーのキレを追求したくなったら、ぜひミズノ ボクシングシューズやアディダス ボクシングシューズを検討してみてください。
足裏で地面を掴む感覚を手に入れたとき、あなたのパンチは一段階上の威力に進化するはずです。
「まずは動いてみる、そして道具にこだわる」。その一歩目が、あなたのボクシングライフをより豊かなものにしてくれるでしょう。


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