テニススクールでの練習も慣れてきて、「そろそろ試合に出てみたい」と思ったときに最初にぶつかる壁が、いわゆる「草トーナメント」へのエントリーです。ネットで検索しても募集要項は無機質なものばかりで、実際の雰囲気が分からず一歩踏み出せない方も多いのではないでしょうか。
筆者も初めて草トーに参戦した際は、場違いなところに来てしまったのではないかという不安と、スクールでのテニスが全く通用しない絶望感を味わいました。この記事では、そんな私の苦い実体験をベースに、草トーナメントを楽しみ、そして勝ち抜くためのリアルな情報をお届けします。
そもそも草トーナメントの「レベル感」は信用してはいけない?
草トーナメントには「超初級」「初級」「初中級」といったカテゴリーがありますが、ここには大きな落とし穴があります。
私が初めて「初級」カテゴリーに参加した時のことです。相手はスクールの中級レベルだろうと高を括っていましたが、現れたのはジュニア上がりでガンガンにスピンをかける若者や、スライス一本でミスを全くしない百戦錬磨のベテランでした。
草トーナメントにおけるレベル設定は、あくまで「自己申告」です。特に「初級」は、試合のルールを知っていてセルフジャッジができる人、という意味で捉えるのが安全です。もしあなたがスクールの初中級クラスにいるなら、まずは「超初級」や「ビギナー」枠を探すことを強くおすすめします。
試合当日、コート外で差がつく「必須アイテム」と準備
試合のパフォーマンスは、ラケットを握る前から決まっています。プロのような完璧な準備は不要ですが、以下のアイテムがあるだけで精神的な余裕が全く変わります。
まず、体力の消耗を防ぐためにポカリスエットなどの電解質飲料と、即座にエネルギー補給ができるウィダーインゼリーは必須です。草トーは待ち時間が長く、前の試合の進行次第でいつ自分の番が来るか分かりません。空腹すぎず、満腹すぎない状態をキープするのがコツです。
また、意外と見落としがちなのが「着替え」と「寒暖差対策」です。夏場は冷感タオル、冬場はベンチコートがないと、試合間の待ち時間で体が固まってしまい、いざコートに入ったときに足が動きません。
実録:セルフジャッジと「草トーの空気感」
草トーナメントの醍醐味であり、同時に最大のストレス要因になるのが「セルフジャッジ」です。
私自身の体験ですが、相手のきわどいショットをアウトとコールした際、相手から露骨に嫌な顔をされたことがあります。その瞬間から集中力が切れ、ミスを連発して自滅してしまいました。
ここで学んだのは、ジャッジは「迷ったらイン」という大原則と、何よりも「大きな声で、相手に聞こえるようにコールする」ことの重要性です。曖昧な態度はトラブルの元になります。毅然とした態度でジャッジを行うことが、結果としてお互いがテニスに集中できる環境を作ります。
勝ちたいなら「綺麗なテニス」を捨てる
スクールのコーチとの打ち合いは気持ちいいものですが、草トーの相手はあなたの打ちやすい場所にはボールを返してくれません。
私が初めて1勝を挙げた時、意識したのは「エースを狙わないこと」でした。とにかく相手のバックハンドに高く跳ねるボールを集め、相手が痺れを切らしてミスをするのを待つ。華麗なボレーではなく、泥臭く テニスボール を相手コートに返し続ける忍耐力が、草トーという戦場では最強の武器になります。
さあ、エントリーボタンを押そう
負ければ悔しいですし、自分の実力のなさに落ち込むこともあります。しかし、試合でしか得られない緊張感や、見ず知らずの相手と試合後に「あのショット凄かったですね」と称え合う時間は、練習だけでは絶対に味わえない体験です。
まずは、自宅から一番近いコートで開催される小さな大会を見つけてみてください。一歩踏み出した先には、今よりもずっと深く、面白いテニスの世界が待っています。


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