「最近、なんだかボレーが安定しない」「しっかり握っているはずなのに、打球の衝撃がダイレクトに響く気がする……」
もしあなたが今、そんな違和感を抱えているなら、チェックすべきはガットではなく「元グリップ(リプレイスメントグリップ)」かもしれません。
多くのプレーヤーがオーバーグリップは頻繁に巻き替えますが、その下にある元グリップは数年放置しがちです。しかし、元グリップの交換は、ラケットの操作性と快適性を新品同様に蘇らせる、最もコスパの良いメンテナンスなんです。
今回は、私が実際に元グリップを交換して「打球感が激変した」体験をもとに、失敗しない交換方法を伝授します。
【実体験】元グリップを変えたら「別物」のラケットになった話
私が初めて元グリップを交換したのは、テニスを始めて3年目の時でした。オーバーグリップを剥がすと、下にある元グリップは汗で変色し、クッション性は完全に消失。角も削れて丸くなっていました。
意を決して交換した直後の驚きは今でも忘れません。
- 「角」が指に引っかかる感覚が戻り、面作りが正確になった。
- オフセンターで打った時の嫌な振動が、新しいクッションに吸収される。
- 握る力が最小限で済むので、腕の疲れが劇的に減った。
「もっと早く変えておけばよかった」――これが正直な感想です。週に2〜3回プレーする方なら、1年に1回は交換することを強くおすすめします。
準備するものと選び方のポイント
交換作業に入る前に、まずは新しいグリップと道具を揃えましょう。
1. リプレイスメントグリップの選び方
ここは個性が分かれるポイントです。
- ソフトな打球感なら: Wilson(ウィルソン)プレミアムレザーやBabolat(バボラ)シンテックプロのようにクッション性の高いものが主流です。
- 玄人好みのレザー: フェアウェイ レザーグリップなどは、非常に硬いですが、ラケットの角が「カチッ」と手に馴染み、繊細なタッチを求める上級者に愛されています。
2. 必要な道具
- ハサミ: 最後に斜めにカットします。
- ペンチ: グリップの端を固定している金具(ステープル)を抜くのに使います。
- アルコール: 古い糊(のり)を拭き取ると、仕上がりが圧倒的に綺麗になります。
失敗しない!元グリップ交換の5ステップ
初心者でもプロ級の仕上がりにするための手順です。
Step 1:古いグリップを剥がし、芯(パレット)を掃除する
古いグリップを剥がすと、スポンジのカスや糊が残ります。ここを放置して新しいのを巻くと、握った時にボコボコして不快です。アルコールや除光液で丁寧に拭き取りましょう。これだけで握り心地の「純度」が変わります。
Step 2:巻き始めの固定
エンドキャップの出っ張りに合わせて巻き始めます。元々金具(ステープル)で止まっていた場所からスタートしましょう。
体験談: 「ステープルなんて持ってない!」という方も大丈夫。最近のYONEX(ヨネックス)リプレイスメントグリップなどは裏面の粘着力が強いので、指でグッと押さえながら最初の一周を強く巻けば、ズレることはまずありません。
Step 3:一定のテンションで巻いていく
ここが最大の難所です。左手でラケットをゆっくり回し、右手でグリップを「1.2倍くらいに伸ばす」イメージで、グイグイとテンションをかけながら巻いていきます。緩いとプレー中に中でグリップが動き、最悪の場合、ラケットが手から飛んでいきます。
Step 4:重なりの幅を均一に
目安は1.5mm〜2mm程度の重なりです。重なりすぎるとグリップが太くなりすぎてしまい、手の感覚を狂わせます。逆に隙間が開くと中のパレットが露出してしまうので注意してください。
Step 5:斜めにカットしてフィニッシュ
グリップの肩口(シャフトに向かう部分)まで来たら、ハサミで斜めにカットします。最後に付属のフィニッシュテープで固定すれば完了です。
初心者が陥りやすい「3つの落とし穴」
- 長さが足りなくなる: 引っ張り(テンション)が弱いと、途中でテープが足りなくなります。その場合はケチらず最初から巻き直しましょう。
- 右巻き・左巻きのミス: 右利きの方は、エンド側から見て「時計回り」に巻くのが基本です。逆方向に巻くと、強く握った時にグリップの重なり部分が剥がれる方向に力が働いてしまいます。
- 厚みの変化: 「今までより太くなった?」と感じたら、重なりの幅を確認してください。手のサイズに合わないグリップは怪我の原因にもなります。
まとめ:最高の打球感を取り戻そう
元グリップの交換は、単なるメンテナンスではなく、ラケットに「命を吹き込み直す」作業です。自分で巻くことで、ラケットへの愛着も一層深まります。
最初は少し苦戦するかもしれませんが、自分で調整したグリップがピタッと手に吸い付く感覚を知ってしまうと、もう人任せにはできなくなりますよ。ぜひ次の週末、新しいグリップでコートに立ってみてください。
次は、あなたのプレイスタイルに最適な「レザーグリップとシンセティックグリップの比較」について、より詳しくお話ししましょうか?


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