テニスコートに立つとき、私たちはどこかで「あの魔法のようなタッチ」を追い求めています。ロジャー・フェデラー。彼の華麗なバックハンド、相手の意表を突くドロップショット、そして勝負どころで見せるサービスエース。そのすべてを支えてきたのが、彼の右腕とも言えるウィルソンのラケットです。
2024年、フェデラーが自身の引退後に「次世代のプレーヤー」のために開発した集大成、Wilson RF 01が登場しました。かつての伝説的なモデルPro Staff RF97 Autographと何が違うのか。実際にコートでボールをしばき倒し、その指先に伝わる感覚を徹底的に紐解いていきます。
ロジャー・フェデラーとラケットの歩み:なぜ彼は変えたのか?
フェデラーのキャリアは、テニスラケットの進化の歴史そのものです。プロ入り当初、彼はピート・サンプラスから受け継いだ85平方インチという、今の基準では考えられないほど小さな面のラケットを使用していました。
その後、90平方インチへと移行し全盛期を築きますが、2014年にはついに97平方インチのWilson Pro Staff RF97へと舵を切りました。これは、ラファエル・ナダルの強烈なスピンや、ノバク・ジョコビッチの鉄壁の守備に対抗するため、より大きなパワーとスイートエリアを求めた決断でした。
そして、現役最終盤から引退後にかけて彼が追い求めたのが「操作性」と「速さ」の融合です。その答えが、最新のRF 01シリーズに結実しています。
【実打体験】RF 01 vs RF97 Autograph:どっちが「買い」か?
実際に両方のラケットを持ち込み、ベースラインからの打ち合いとボレーを試してみました。
RF97 Autograph:重戦車のような打ち抜き
Pro Staff RF97を手に取った瞬間に感じるのは、340gという圧倒的な重量感です。振り抜くには相応の筋力が必要ですが、芯を喰った時の感触は「究極」の一言。ボールを潰し、相手のコートに重低音を響かせながら突き刺さるようなショットが打てます。ただし、オフセンターで捉えた瞬間の衝撃はシビアで、1セットマッチの後半には腕にずっしりと疲労が溜まるのも事実です。
RF 01:刀のような切れ味
一方で、最新のWilson RF 01は驚くほど軽快です。重量が約300g〜320g(モデルによる)に調整されており、スイングスピードが劇的に上がります。特筆すべきはフレーム形状の「SABR(セイバー)デザイン」。風を切る音が「シュッ」と鋭く、ボレーの際も瞬時に面を作れる安心感があります。RF97が「力でねじ伏せる武器」なら、RF 01は「感性を研ぎ澄ます道具」といった印象です。
フェデラー流「こだわりのセッティング」を再現する
ラケット本体だけでなく、フェデラーが愛した細部へのこだわりを再現することで、その使用感はさらに近づきます。
- ハイブリッド・ストリング: 縦にWilson ナチュラルガット、横にLuxilon アルパワーを張る、通称「フェデラー張り」。ナチュラル特有のホールド感とポリの弾きが絶妙に同居します。
- ストリングセーバー: 縦横の糸が交差する部分にWilson エラストクロスを挟むことで、摩擦を抑え、あの独特な「パチッ」という乾いた打球音を生み出します。
- レザーグリップ: 多くのプロが愛用するWilson プレミアムレザーグリップ。クッション性よりも「角(カド)」の感覚を重視することで、グリップチェンジの精度を高めます。
ユーザー別・おすすめの選び方
どちらを選ぶべきか迷っているなら、自分のプレースタイルを鏡に映してみましょう。
- Pro Staff RF97 Autographを選ぶべき人:フェデラー全盛期の「重み」をその手に感じたい、体力に自信のあるプレーヤー。一撃の重さを追求し、クラシックな打感を愛するハードヒッター向けです。
- Wilson RF 01を選ぶべき人:現代的なスピードテニスを展開したい人。ネットプレーへの移行をスムーズにし、より広いスイートスポットでミスを減らしたい現役プレーヤーには、こちらが間違いなく正解です。
まとめ:フェデラーが残した「最後の贈り物」
ロジャー・フェデラーのラケットを手に取ることは、単なるギア選び以上の意味を持ちます。それは彼の美学をまとい、テニスというスポーツを心から楽しむための儀式のようなものです。
Wilson RF 01は、彼が私たちアマチュアプレーヤーに遺してくれた「テニスをより簡単に、よりクリエイティブにするための鍵」です。タキシードを彷彿とさせる洗練されたデザインのラケットをバッグから取り出すとき、あなたのテニスライフは新しい章を刻み始めるはずです。
「Would you like me to…」 次に、あなたのプレースタイルに合わせた最適なストリングのテンション設定について詳しく提案しましょうか?


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