テニスを始めようとスポーツ用品店に足を運んだり、ネットショップを眺めたりしていると、必ずぶつかる壁があります。それが「スペック(数値)」の壁です。
「フェイス面積100って大きいの?」「300gは重すぎる?」
私自身、初心者の頃に「デザインがかっこいいから」という理由だけで、プロ選手が使うような上級者向けモデルを選び、ボールが全く飛ばずに手首を痛めた苦い経験があります。そんな失敗を避けるために、まずは図解で基本の名称を抑え、カタログの数字が「コート上でどう感じるか」を実体験ベースで紐解いていきましょう。
1. 【図解】テニスラケットの各部名称と役割
ラケットは大きく分けて4つのパーツで構成されています。それぞれの名前を知ることで、店員さんの説明やネットのレビューが驚くほど理解しやすくなります。
- フェイス(面): ボールが当たる部分です。一般的なテニスラケットの標準は100平方インチ。これより大きいと「デカラケ」と呼ばれ、当てるだけでボールが飛んでくれますが、振り抜いた時にアウトしやすい傾向があります。
- フレーム: フェイスを囲む枠の部分。ここの「厚み」が重要です。厚いほど反発力が強く、薄いほど自分の力でコントロールする必要があります。
- シャフト(スロート): フェイスとグリップを繋ぐ二股の部分。ここが「しなる」ことで打球感が柔らかくなったり、パワーが伝わったりします。
- グリップ: 手で握る部分。太さが「G1・G2・G3」と表記されます。
2. カタログの数字を「体感」に変換する4つの指標
図解で場所を把握したら、次はスペック表の読み方です。数字の裏側にある「実際の打ち心地」を私の体験からお伝えします。
重さ(ウェイト)
一般的に男性は300g、女性は280gが基準です。
【体験談】
「たった5gの差なんてわからないだろう」と思って重めのモデルを買ったことがありますが、練習開始30分は良くても、後半になるとラケットが遅れて出てくるようになり、振り遅れのミスが連発しました。初心者は「少し軽いかな?」と思うくらいが、最後までフォームを崩さず打てる秘訣です。
バランスポイント
ラケットの重心がどこにあるかを示す数値です。
- トップヘビー(先重): ラケットの遠心力で強い球が打てますが、ボレーなどの素早い動きは少し重く感じます。
- トップライト(手元重): 操作性が抜群。ネットプレーが多い人や、スイングスピードを上げたい人に最適です。
グリップサイズ
日本人の手には「G2」が最も一般的です。
【体験談】
以前、手の大きさに合わない細すぎる「G1」を使っていた際、インパクトの瞬間にラケットが手の平の中でグルッと回ってしまう「面ブレ」に悩まされました。逆に太すぎると前腕がすぐにパンパンに張ってしまいます。迷ったらG2を選び、オーバーグリップテープを巻いて微調整するのが賢い選択です。
ストリングパターン
縦×横の糸の数です。16×19が標準的。
目が粗いほどボールに回転(スピン)がかかりやすく、目が細かい(18×20など)ほど、ボールを潰して真っ直ぐ飛ばすコントロール性が高まります。
3. 【実録】初心者がやってしまいがちな「ラケット選びの失敗談」
私の周りでもよくある、数字だけでは見えない失敗例をご紹介します。
- 「薄ラケ」の罠:プロが使っている薄くて平べったいフレームのラケット。最高にクールですが、初心者が使うと驚くほどボールが飛びません。「自分の力で100%飛ばす」筋力と技術がないと、ボールがネットを越えず、無理に飛ばそうとして肘を痛める(テニス肘)原因になります。
- 中古の「安すぎる」ラケット:中古テニスラケットの中には、10年以上前のモデルが混ざっています。素材が劣化して振動吸収性が落ちていることがあり、打つたびに「ビーン」という不快な振動が手に伝わります。これは上達の妨げになるだけでなく、怪我のリスクも高まります。
4. あなたにぴったりの1本を見極めるチャート
- 体力に自信がない、楽に飛ばしたい: 厚ラケ × フェイス100〜105inch²
- 部活やスクールで上達を目指したい: 中厚フレーム × 300g(黄金スペック)
- パワーはあるのでコート内に収めたい: やや薄めのフレーム × フェイス98inch²
まずはバボラ ピュアドライブのような、いわゆる「黄金スペック」と呼ばれるモデルを基準に試打してみることを強くおすすめします。それが自分にとって重いのか軽いのか、飛ぶのか飛ばないのかを知る「物差し」になるからです。
図解で構造を理解し、スペックを体感に落とし込むことができれば、あなたにとっての「最高の相棒」はすぐそこに見つかるはずです。
次は、自分のプレースタイルに合った「ストリング(ガット)」の選び方についても調べてみませんか?


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