テニス界で「スピン」といえば、誰もが真っ先に思い浮かべるのがバボラ ピュアエアロではないでしょうか。ラファエル・ナダル選手の超人的なエッグボールを支えてきたこのシリーズは、今やプロだけでなく、一般プレーヤーにとっても「勝てるラケット」の筆頭候補です。
しかし、現行モデルを手に取った瞬間、私はこれまでの「アエロ観」を覆されることになりました。今回は、数多くのラケットを試打してきた私の実体験を交えながら、最新のピュアエアロがどのように進化したのか、その真価を徹底解説します。
「原点回帰」が生んだ、エグいほどのボールの伸び
最新のピュアエアロをコートで振り抜いた瞬間、最初に感じたのは「打球感のしっとり感」です。これまでのモデルは、バボラ特有のコンコンという高い打球音と共にボールを弾き出すイメージが強かったのですが、今作は天然素材のリネンをフレームに編み込んだ「NF2テック」のおかげで、不快な振動が驚くほど消えています。
特筆すべきは、ストリングパターンがやや密になったことによるコントロール性能の向上です。
以前のモデルでは、スピンはかかるものの、時折ボールが上に抜けてしまう感覚がありました。しかし、新しいピュアエアロは、厚く当てて叩いてもコート内にグサッと収まる安心感があります。「上に跳ねるスピン」ではなく、バウンド後に「低く伸びてくるスピン」に変わった。これは相手にとって、より脅威となるはずです。
ボレーの操作性と、不意のミスを防ぐ安定感
スピン系ラケットはボレーが苦手という印象を持たれがちですが、ピュアエアロはその常識も塗り替えました。
ダブルスの試合で使ってみた際、ネット際でのタッチが非常に素直であることに驚きました。フレームの剛性が高いため、相手の強打に負けて面がブレることがありません。ボレーボレーの局面でも、シュパッとラケットが抜ける感覚があり、操作性は抜群です。
また、ピュアエアロ チームやピュアエアロ ライトといった軽量モデルも試しましたが、これらはさらに扱いやすく、ジュニアや女性プレーヤーが振り切ってスピンをかける楽しさを味わうのに最適な仕上がりになっています。
歴代モデルやライバル機との決定的な違い
「2019年モデルと何が違うの?」とよく聞かれますが、一言で言えば「暴れ馬から精密機械への進化」です。
2019年モデルはパワーが凄まじく、少し当てるだけで飛んでいきましたが、2023/2024年以降の現行モデルは、自分のスイングに対してボールが正直に反応します。
また、ピュアドライブと比較すると、パワーの押し出し感はピュアドライブに譲るものの、サイドスピンやドロップショットといった「ボールを操る感覚」はピュアエアロが圧倒的に上回ります。ヨネックスのVCOREと迷う方も多いですが、空気抵抗を切り裂くような独特の振り抜き感は、やはりアエロ特有の快感です。
性能を最大化するストリング・セッティング
このラケットのポテンシャルを100%引き出すなら、やはりガット選びが重要です。
私がテストして最も相性が良いと感じたのは、王道のRPMブラストです。8角形の断面がボールを強烈に噛み、驚異的な回転量を生み出します。
もし「少し打感が硬い」と感じるなら、RPMソフトを試してみてください。ホールド感がさらに高まり、まるでボールを包み込むような打球感に変わります。
結論:あなたが選ぶべきピュアエアロはどれ?
今回のアップデートで、ピュアエアロは単なるスピンマシンから、オールラウンダーをも満足させる完成度へと到達しました。
- 競技レベルで攻めたいなら: ピュアエアロ 98
- 最もバランスの良い万能機を求めるなら: ピュアエアロ(300g)
- 操作性と楽な飛びを重視するなら: ピュアエアロ チーム
一度この「伸びるスピン」を体感してしまうと、他のラケットには戻れなくなるかもしれません。あなたのテニスを次のステージへ引き上げる武器として、これ以上の選択肢はないでしょう。


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