テニスのラケット選びで、スペック表にある「ビーム(Beam)」という項目を目にしたことはありませんか?「19mm」や「26mm」といった数値が並んでいますが、実はこれがショットの威力やコントロール、そして何より「打った時の気持ちよさ」を決定づける非常に重要な要素なのです。
今回は、ビーム(フレーム厚)の違いがテニスのプレーにどんな影響を与えるのか、実際のコートでの体験を交えて徹底解説します。
そもそも「ビーム」って何のこと?
テニスにおけるビームとは、**「フレームの厚さ」**のこと。ラケットを横から見た時の厚みの数値です。
一般的に、フレームが厚ければ厚いほどラケットの剛性が高くなり、ボールを弾き返す力が強くなります。逆に薄ければ、インパクトの際しなりが大きくなり、自分のスイングパワーをボールに伝える感覚が強くなります。
ビームの厚さ別:実際に打ってわかった「体験の差」
スペック上の数字以上に、実際に打ってみるとその差は歴然です。それぞれの厚さでどのような感覚の違いがあるのか、リアルな体験談をもとに紹介します。
1. 薄ラケ(ビーム厚:22mm以下)
競技者やハードヒッターに愛される「薄ラケ」。実際に振ってみると、その操作性と「重厚な打感」に驚かされます。
- 実際の打球感: 「カチッ」とした硬い弾きではなく、ボールが一瞬ラケットにグニュッと吸い付くような「ホールド感」があります。自分の腕とラケットが一体化して、ボールを押し出しているような感覚です。
- 体験したメリット: フルスイングしてもコートの奥でギュンと落ちてくれる安心感があります。風を切る音が鋭く、振り抜きが抜群に良いのも特徴です。
- 注意点: ラケット自体のパワーが少ないため、しっかり踏み込んで打たないと浅いチャンスボールになりがちです。
代表的なモデルとしては、精密なコントロールを可能にするWilson Pro Staffや、しなりとパワーを両立したYONEX VCORE PROなどが挙げられます。
2. 中厚(ビーム厚:23mm〜25mm)
現代テニスのスタンダード。黄金スペックと呼ばれるモデルの多くがこの範囲に収まります。
- 実際の打球感: 薄ラケの「しなり」と、厚ラケの「弾き」のちょうど中間。嫌な振動が少なく、どんなショットも平均点以上にこなせる優等生な感覚です。
- 体験したメリット: 守備に回らされた時に、手首の返しだけでボールを深く返せる「助けてくれるパワー」があります。それでいて、攻撃時にはしっかりコントロールも効く万能感。
- 注意点: 特徴がないのが特徴とも言えます。個性を求める人には少し物足りないかもしれません。
大人気モデルのBabolat Pure DriveやHEAD SPEEDは、まさにこの層を代表する完成度を誇ります。
3. 厚ラケ(ビーム厚:26mm以上)
パワー不足に悩む方や、ボレー主体のダブルスプレーヤーに圧倒的な支持を得ているタイプです。
- 実際の打球感: ボールが当たった瞬間に「パンッ!」と勢いよく飛び出していきます。トランポリンの上でボールを弾ませているような軽快な感覚です。
- 体験したメリット: 相手の速いサーブに対しても、面を合わせるだけで返球できます。特にボレーでは、少し芯を外してもフレームが負けずに押し返してくれる強さを感じました。
- 注意点: 飛距離が出すぎるため、力んで振るとホームラン(バックアウト)になりやすい側面があります。
楽に飛ばせるDunlop LX 1000や、軽量で扱いやすいBabolat Pure Drive 110などがこのカテゴリーで高い評価を得ています。
あなたに合う「ビーム」の選び方
今の自分のプレーを振り返って、以下の基準で選んでみてください。
- 「もっとコントロールしたい、自分の力で叩きたい」なら…ビームの薄いラケット(22mm以下)がおすすめです。自分の技術がダイレクトにボールに反映される楽しさを味わえます。
- 「楽にスピードを出したい、ボレーで打ち負けたくない」なら…ビームの厚いラケット(26mm以上)を選びましょう。体力の消耗を抑えつつ、効率よくパワーを引き出せます。
- 「どれが良いか迷ってしまう」なら…まずは24mm前後の中厚モデルから試すのが正解です。そこを基準に、「もっと飛ばしたいか」「もっと抑えたいか」を判断するのが一番の近道です。
まとめ:スペックの数字は「楽しさ」への地図
テニスラケットのビーム(フレーム厚)は、単なる物理的な厚みではありません。それは、あなたがコート上で感じる「手応え」や「自信」に直結しています。
次にショップでラケットを手にする時は、ぜひ横からの厚みをチェックしてみてください。自分にぴったりの「ビーム」を見つけることが、あなたのテニスを次のステージへと引き上げてくれるはずです。
より具体的なラケットの比較が知りたい方は、気になるモデルをショップで試打してみることを強くおすすめします。
次は、あなたのプレースタイルに合わせた具体的なガットの組み合わせについてもご提案しましょうか?


コメント