「コンチネンタルグリップで握ってください」と言われて、パッと迷わずに握れますか?テニスを始めたばかりの頃、私はこの「握り方」の壁にぶつかりました。コーチに教わった通りに握っているつもりでも、いざ打ち始めるとズレてしまい、なぜか面が上を向いてボレーが吹っ飛んでいく……。
そんな迷いを一発で解消してくれたのが「ベベル(Bevel)」という考え方でした。ベベルとは、テニスラケットのグリップにある「八角形の面」のこと。この面の番号さえ理解すれば、あなたのテニスは驚くほどロジカルに、そして正確に進化します。
テニスラケットの「ベベル」とは?
テニスラケットのグリップを底(グリップエンド)から覗き込んでみてください。綺麗な円形ではなく、カチッとした「八角形」になっていますよね。この8つある平らな面のひとつひとつを「ベベル」と呼びます。
なぜ丸くないのか。それは、手の中でラケットの面の向きを瞬時に、かつ正確に把握するためです。もしグリップが丸かったら、インパクトの瞬間に面がどこを向いているか分からず、パワーをボールに伝えることができません。
ベベルの番号の数え方(右利きの場合)
ラケットを地面に対して垂直に立てた時、真上にある一番狭い面を「1番」とします。そこから時計回りに2、3、4……と数えていきます。
- ベベル1: 真上の面
- ベベル2: 右斜め上の面(コンチネンタルの基準)
- ベベル3: 右横の広い面
- ベベル4: 右斜め下の面
【実践】ベベルの番号別・主要グリップの握り方
グリップを決める際は、人差し指の付け根の関節(ナックル)をどの番号に合わせるかが基準になります。
ベベル2:コンチネンタル(包丁握り)
サーブ、ボレー、スマッシュの必須科目です。私は初心者の頃、これが一番苦手でした。しかし、ベベル2に人差し指の付け根を置くことを意識してから、無理に手首をこねなくても自然にスライス回転がかかるようになったのです。
ベベル3:イースタンフォア
「握手をするように」と言われる握り方。フラット気味に厚い当たりでボールを叩きたい時に最適です。
ベベル4:セミウエスタン
現代テニスの主流。BabolaT Pure Aeroのようなスピン系ラケットとの相性が抜群で、適度なスピンとパワーを両立できます。
【体験談】ベベルを意識して変わった私のテニス
以前の私は、試合の終盤で疲れてくると、決まってフォアハンドがアウトし始めていました。原因を探ると、無意識にグリップが少しずつ「厚く」ズレていたのです。
そこで私が取り入れたのが、構えるたびに親指の感触で「ベベルの角」を確認するルーティンでした。「今はベベル4の角を触っているな」と指先で確認するだけで、フォームの乱れが劇的に減りました。
特にサーブでは、ベベル2を正確に捉えることで、プロネーション(回内)がスムーズに使えるようになり、ダブルフォールトへの恐怖心が消えたのは大きな収穫です。
ベベルをより鮮明に感じるためのカスタマイズ
もしあなたが「ベベルの角がどこにあるか分かりにくい」と感じているなら、道具を見直す時期かもしれません。
- オーバーグリップを薄くするYONEX ウェットスーパーグリップのような定番品は使い心地が良いですが、何重にも重ね巻きすると角が丸くなってしまいます。あえて薄手のものを選ぶと、手のひらにエッジが食い込み、面の感覚が鋭くなります。
- レザーグリップ(元グリップ)への交換多くのプロがFairway レザーグリップのような天然皮革を好むのは、クッション性が低い分、ベベルの角がダイレクトに手に伝わるからです。
まとめ:今日からできる「ベベル確認習慣」
テニスは「感覚」のスポーツですが、その感覚を支えるのは「正確な知識」です。
練習中、ミスが続いたらまずはグリップを見てください。「ベベルの番号は合っているか?」を確認するだけで、コーチに頼らずとも自分で修正できるようになります。ラケットと手が一体化する感覚、ぜひベベルを意識して手に入れてください。
次は、あなたのプレースタイルに合わせた最適なグリップサイズの見つけ方について、一緒に深掘りしてみませんか?


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