テニスプレイヤーにとって、HEAD PRESTIGEという名前は特別な響きを持っています。真っ赤なフレームに薄いボックス形状。「いつかは使いこなしたい」と願う憧れの一本でありながら、一方で「難しそう」「プロ専用でしょ?」という先入観がつきまとうラケットでもあります。
しかし、最新の「オーセチック 2.0(Auxetic 2.0)」を搭載した現行モデルを手に取ってみると、そのイメージは鮮やかに裏切られることになります。伝統の「ホールド感」を極限まで突き詰めつつ、現代のスピードテニスに耐えうる「寛容さ」が絶妙にブレンドされているのです。今回は、実際にコートで全モデルを打ち比べた生きた体験をもとに、その真価を徹底解説します。
プレステージが「伝説」と呼ばれる理由と独自の魅力
HEAD PRESTIGEを語る上で欠かせないのが、ボールを「潰す」感覚です。現代の主流である中厚ラケットが「弾き」で飛ばすのに対し、プレステージはフレームのしなりによって一度ボールを完全にキャッチします。
このコンマ数秒のホールドが、狙ったライン際に突き刺さるようなコントロールを生み出します。実際にフルスイングした際、ベースラインギリギリでボールが「もうひと伸び」して落ちる快感は、他のラケットでは決して味わえません。また、渋いボルドーカラーを基調としたデザインは、所有しているだけでモチベーションを一段階引き上げてくれます。
オーセチック 2.0で進化した打球体験
最新モデルに搭載された「オーセチック 2.0」により、打感のフィードバックがよりクリアになりました。前作も評価が高かったのですが、今作はより「しっとり」とした質感が向上しています。
特筆すべきは、オフセンターで捉えた時の挙動です。「外すと飛ばない」という厳しさがプレステージの宿命でしたが、最新版は面ブレが驚くほど少なく、粘り強いディフェンスを可能にしてくれます。追い込まれた場面でのスライスが、浮かずに滑るように伸びていく。この「安心感」こそが最大の進化点だと言えるでしょう。
モデル別・詳細インプレッション
1. HEAD PRESTIGE PRO
推奨レベル:上級 / 体感:究極の重厚感
18×20のストリングパターンが生み出す圧倒的な面安定性。正直、振り切るパワーは求められますが、芯を喰った時のボールの威力は別格です。「面が全く負けない」ので、相手の強打を利用してさらに重いカウンターを打ち込みたいプレイヤーにはこれ一択です。
2. HEAD PRESTIGE TOUR
推奨レベル:中上級 / 体感:バランスの黄金比
個人的に最も「プレステージらしい」と感じたのがこのTOURです。しなりと弾きのバランスが良く、スピンもかけやすい。シングルスで左右に打ち分け、最後はネットに出てタッチで仕留めるような、オールラウンダーな動きに最高にマッチします。
3. HEAD PRESTIGE MP
推奨レベル:中上級 / 体感:攻撃的スピード
99インチという絶妙なフェイスサイズ。ボレーのタッチがとにかく秀逸で、ダブルスでの操作性を重視する方にもおすすめです。スイングスピードが上がりやすく、現代的なスピード感のある展開でも遅れを取りません。
4. HEAD PRESTIGE MP L
推奨レベル:中級〜 / 体感:驚きの扱いやすさ
「プレステージは重い」という常識を覆す300g。振り抜きが非常に軽く、女性やジュニア、あるいは「あの打感は好きだけど、試合後半に体力が持たない」というベテランプレイヤーにとっての救世主です。ここからプレステージの世界に入門するのは、非常に賢い選択だと思います。
プレステージを使いこなすためのヒント
このラケットには「自動追尾機能」のようなパワーアシストはありません。そのため、足を使ってしっかりボールに入り、自分の力で振り抜く技術は必要です。
もし「少し飛距離が足りない」と感じたら、ガット(ストリング)選びを工夫してみてください。HEAD PRESTIGEの柔らかい打感を活かすなら、ナイロンガットを少し緩めに張るのがおすすめです。コントロールを極めたいなら、細ゲージのポリを合わせると、よりシャープな感覚が得られます。
まとめ:あなたが選ぶべき一本は?
HEAD PRESTIGEは、単なる道具ではなく、自分のテニスを一つ上のステージへ引き上げてくれるパートナーです。
- 重いフラットドライブで相手を圧倒したいなら:PRO
- しなりを活かして多彩なショットを打ちたいなら:TOUR
- 操作性とスピード感、ダブルスも重視したいなら:MP
- 伝統の打感を軽快な操作性で味わいたいなら:MP L
自分にぴったりの一本を選んで、コート上で至高の打感を堪能してください。
次のステップへの提案
この記事に加えて、HEAD PRESTIGEにベストマッチするストリングの種類やテンションの具体的な組み合わせ表を作成しましょうか?ご希望であれば、さらに深掘りした情報をご提供します。


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