「このラケット、性能は最高だけどデザインが地味なんだよな……」「長年使っていてフレームが傷だらけだけど、買い替えるのはもったいない」。そんな悩みを持つテニスプレーヤーの間で、密かなブームとなっているのが**「ペイントジョブ」**です。
プロ選手がスポンサー契約の関係で「中身は旧モデル、見た目だけ最新モデル」に塗り替えるのは有名ですが、実は私たち一般プレーヤーでも、自分だけのオリジナルデザインを手に入れることができます。今回は、実際に私が体験して感じたメリットや、業者への依頼方法、そして「絶対に後悔しないDIY」のコツを余すところなくお届けします。
テニスラケットのペイントジョブとは?
ペイントジョブとは、ラケットのフレーム表面を塗り直すカスタムのこと。ただの色変えと侮るなかれ、世界に一本しかない「相棒」を作るプロセスは、テニスのモチベーションを劇的に変えてくれます。
実際にやってみて感じた魅力
私が初めて愛機のペイントジョブを行った際、最も驚いたのはコートでの視線です。真っ白に塗り替えたラケットを持ってコートに入ると、周りの友人から「それ、どこの新作?」と聞かれるのが、正直かなり快感でした。
ペイントジョブの2つの選択肢:業者 vs DIY
1. 職人の技に任せる「プロへの依頼」
「絶対に失敗したくない」「プロ仕様のクオリティが欲しい」なら、カスタムショップ一択です。
- 費用感: 約15,000円〜30,000円程度。
- クオリティ: 自動車の塗装と同じウレタン塗装が主流で、驚くほど滑らかで硬質な仕上がりになります。
- 注意点: 数週間の納期がかかるため、代わりのラケットを準備しておく必要があります。
2. 自分の手で命を吹き込む「DIY」
私自身、2本目は自分で挑戦しましたが、これが想像以上に奥が深く、そして楽しい作業でした。
【体験から語る】DIYで用意すべき三種の神器
DIYに挑戦するなら、以下の3点は妥協せずに揃えてください。
- シリコンオフ: 塗装前の脱脂が不十分だと、1ヶ月も経たずにペリペリと剥げてきます。
- 耐水ペーパー: 下地作りが8割です。400番から1000番くらいまで揃えておきましょう。
- ウレタンクリアー: 仕上げのクリアだけは、必ず強度の高いウレタン系を選んでください。フレームショット一発で剥げる悲劇を防げます。
【重要】ペイントジョブで絶対に気をつけたい「スペックの変化」
ここが一番の注意点です。塗装をすると、塗料の分だけ必ず「重く」なります。
私の実体験では、丁寧に3度塗りをした結果、重量が約4g増加し、バランスが約2mmトップヘビーになりました。「たった4g?」と思うかもしれませんが、実際にスイングすると、その差は明確に感じられます。
- 対策: 塗装前にあらかじめ元のラケットの重量・バランスを計測しておき、仕上がり後にリードテープ(重り)で調整する余裕を持っておきましょう。
失敗から学んだ、DIYペイントの手順とコツ
- グロメットの取り外し: これが最大の難関です。グロメット専用プライヤーがあると便利ですが、古いラケットだとグロメットが劣化して割れることがあります。あらかじめ交換用の予備をネットで探しておきましょう。
- 徹底的なサンディング: 元の塗装を完全に剥がす必要はありませんが、表面のツヤがなくなるまでしっかり擦ります。
- 薄く、何度も塗る: 一気に色をつけようとすると、必ず塗料が「垂れ」ます。30cmほど離して、パラパラと粉をかけるように重ねていくのが成功の秘訣です。
- じっと待つ: 表面が乾いても、中まで硬化するには数日かかります。早くガットを張りたい気持ちを抑え、最低でも3日間は風通しの良い場所に吊るしておきましょう。
結論:ペイントジョブは「テニス愛」を深める最高のカスタム
ペイントジョブを施したラケットは、もはや単なる道具ではありません。自分のこだわりが詰まった唯一無二のパートナーです。
もちろん、重量の変化や手間の多さといったハードルはありますが、それを乗り越えて手に入れた自分専用のラケットは、間違いなくあなたのプレーを精神面から支えてくれます。
まずは、傷ついた箇所をタミヤカラーなどの模型用塗料やタッチアップペンで補修することから始めてみてはいかがでしょうか?その一歩から、奥深いラケットカスタムの世界が始まります。


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