「ギュン!」と強烈な回転がかかったエッグボールも魅力的ですが、ネットスレスレを一直線に突き抜けるフラットショットには、テニスの醍醐味が詰まっています。相手の時間を奪い、コートを切り裂くあの快感。しかし、一歩間違えればバックアウトの連発という諸刃の剣でもあります。
今回は、私自身が数多くのモデルを試打し、コートで泥臭く打ち合ってきた経験から、フラット系ショットを最大の武器にするためのラケット選びを徹底解説します。
なぜあなたのフラットは安定しないのか?
フラットドライブを打つ際、多くのプレーヤーが「アウトが怖い」と感じます。これは、ラケットがボールを「面」で捉えきれず、インパクトの瞬間に面がブレていることが主な原因です。
フラット系に適したラケットには、強烈なスイングを受け止める**「面安定性」と、狙った場所にボールを運ぶ「ホールド感」、あるいは弾き飛ばす「初速」**が不可欠です。これらを意識するだけで、あなたのショットは劇的に変わります。
【タイプ別】フラット派に捧げる厳選ラケット
1. 弾きとスピードで圧倒するパワー系
スイングスピードに自信があり、とにかく初速で相手を押し込みたいなら、中厚気味のフレームが最適です。
- ヨネックス EZONE 98実際に打ってみて驚いたのは、その「加速感」です。オフセンターで捉えてもフレームの剛性が高く、ボールを力強く弾き返してくれます。フラットに当てた時の初速は、現行モデルの中でもトップクラス。バウンド後にボールが失速せず、相手のラケットを弾き飛ばすような感覚を味わえます。
- バボラ ピュアドライブ言わずと知れた怪物ラケット。フラット気味に捉えると、魔法のように深いボールが飛んでいきます。自分でパワーを作らなくても、当てるだけで鋭い直線軌道が描けるため、守備から攻撃への切り替えが非常に楽になりました。
2. コントロールとしなりで運ぶ精密系
「自分のスイングでボールを潰したい」「ライン際をミリ単位で狙いたい」という方には、しなりを感じる薄ラケが向いています。
- ウィルソン ブレイド 98 V9インパクトの瞬間、一瞬ボールがラケットに「吸い付く」感覚があります。そこからフラットに押し出すと、面白いように低弾道のショットがコートに収まります。フルスイングしてもバックアウトする気がしない、あの絶大な安心感はブレイドならではの特権です。
- ヨネックス パーセプト 100しなりが強く、手のひらでボールを転がしているような感覚。面の安定性が非常に高いので、ボレーやブロックショットでもフラットな軌道を維持しやすいのが特徴です。「ハードすぎる薄ラケは疲れるけれど、コントロールは捨てたくない」というワガママに応えてくれる一本です。
3. 18×20パターンが生む「究極のフラット」
ストリングの目が細かいモデルは、スピンがかかりすぎず、フラット派にとって最高の武器になります。
- ヘッド スピード PROノバク・ジョコビッチ使用シリーズ。18×20のストリングパターンが、ボールを潰す感覚を極限まで高めてくれます。スピンによる「逃げ」がない分、自分のパワーが100%ボールに伝わる感覚。滑るようなスライスと、そこからの攻撃的なフラットのコンビネーションは、相手にとって悪夢でしょう。
現場で感じた「フラット系ラケット」成功の鍵
私自身、かつてはスピン系ラケットで無理にフラットを打とうとして、コントロールを乱していました。しかし、**ウィルソン ブレイド 98 V9**のようなしなり系のモデルに切り替えたことで、ボールを「叩く」のではなく「運ぶ」意識が芽生え、アンフォーストエラーが激減しました。
フラット系ショットは、ラケットの性能に頼りすぎると暴発し、頼らなすぎるとネットにかかります。
- 攻めたい時: ラケットの剛性を信じて、面の向きだけ意識して振り抜く。
- 守りたい時: ホールド感を利用して、少しだけ軌道を高くして深く運ぶ。
この使い分けができるようになると、フラットは単なる「速い球」から「勝てる球」へと進化します。
迷ったらどう選ぶ?
最後に、選び方の指針をまとめます。
| プレースタイル | おすすめの特性 | 代表的なモデル |
| エースを量産したい | 弾きの強いパワー系 | ヨネックス EZONE 98 |
| ミスを減らして繋ぎたい | ホールド感のあるコントロール系 | ウィルソン ブレイド 98 V9 |
| 競技志向で精度を極めたい | 18×20の密なパターン | ヘッド スピード PRO |
フラット系ラケットを選ぶ際は、ぜひ一度**ルキシロン 4G**のようなテンション維持の良いポリストリングを、いつもより2〜3ポンド落として張ってみてください。最新ラケットが持つ「包み込むようなフラット感」を最大限に引き出せるはずです。
突き抜ける快感を、ぜひあなたのテニスに取り入れてみてください。


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