テニスを続けていると、誰もがぶつかる壁があります。「フォアハンドは攻められるのに、バックハンドになると途端に守勢に回ってしまう」という悩みです。私もその一人でした。バックハンドで差し込まれ、中途半端なロブが上がってスマッシュを叩き込まれる――そんな日々を変えてくれたのが、プリンス X100でした。
今回は、巷で「魔法のラケット」と噂されるプリンス X100を1ヶ月間使い倒して見えた、リアルな使用感を包み隠さずお伝えします。
左右非対称が生む「物理的なアシスト」の正体
プリンス X100を初めて手にした時、まず驚くのはシャフトの「ねじれ」です。ツイストパワーテクノロジーと呼ばれるこの形状により、フォアとバックでラケットの「しなり」が全く異なります。
実際にコートで打ってみて体感したのは、計算された明確な役割分担でした。
- フォアハンド: シャフトの剛性が高く、弾きが良い。スピンもしっかりかかりますが、何よりボールスピードが乗る感覚が爽快です。
- バックハンド: フレームが大きくしなり、ボールを掴んで放り投げるような感覚。面が安定し、少々振り遅れてもしっかり深くまで運んでくれます。
【体験レビュー】バックハンドの「絶望」が「武器」に変わった瞬間
私が最も恩恵を感じたのは、ダブルスの並行陣でのバックボレーです。これまでは、バック側に速い突き球が来ると面が負けてネットミスしがちでした。しかし、プリンス X100に変えてからは、ラケットが衝撃を吸収しつつ、自動的に弾き返してくれる安心感があります。
また、シングルスのラリーでも変化がありました。バックハンドのスライスが驚くほど低く、深く滑るようになったのです。「当てるだけで良い」という心の余裕が、スイングの力みを消してくれたのかもしれません。
最初は「左右で打球感が違うのは違和感があるのでは?」と不安でしたが、実際には15分程度のミニラリーで感覚が馴染みました。むしろ「バックは助けてもらえる」という信頼感が、プレーの積極性を引き出してくれます。
プリンス X100 vs プリンス X100 TOUR:どっちを選ぶべき?
プリンス X100シリーズには、黄金スペックの290gモデルと、より競技者向けのプリンス X100 TOUR(300g)が存在します。
- プリンス X100(290g): 操作性が抜群で、週末プレーヤーや女性、ボレー戦を重視するダブルス愛好家に最適です。
- プリンス X100 TOUR(300g): 打ち応えを求める人や、自分である程度ボールを潰して打ちたい人向け。バックのアシストを受けつつ、攻撃力も妥協したくない欲張りな設定です。
最新モデルには衝撃吸収材「PVS」が搭載されており、不快な振動がさらに軽減されています。肘への負担を気にする方にも、自信を持っておすすめできる仕上がりです。
唯一のデメリットは「依存性」と「貸し借りの難しさ」
正直に言うと、このラケットには中毒性があります。バックハンドが楽になりすぎるため、他のラケットに戻った時に「こんなにバックハンドって大変だったっけ?」と感じてしまうかもしれません。
また、右利き用と左利き用が明確に分かれているため、友人とのラケット交換がしにくい点は唯一の欠点と言えるでしょう。しかし、それ以上に「自分のプレーを物理的に補完してくれる」メリットの方が圧倒的に上回ります。
まとめ:道具の力で、テニスの質は確実に変わる
「上手くなってから良いラケットを買おう」と考える方は多いですが、プリンス X100に関しては逆です。苦手なショットをラケットに補ってもらい、自信を持って振れるようになることで、結果的に上達スピードが上がります。
バックハンドにコンプレックスがある方、もっと楽にテニスを楽しみたい社会人プレーヤーの方。ぜひ一度、この「ねじれ」が生む魔法を体感してみてください。きっと、次の試合の景色が変わるはずです。


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