「あ、これ、異次元だ。」
初めてASICS メタスピード SP 2を競技場で履き、一歩目の接地を迎えた瞬間に口を突いて出た言葉です。かつてのスパイクが「地面を蹴る」道具だったのに対し、この一足は「地面から弾き飛ばされる」ための装置へと進化していました。
今回は、自己ベストを数年ぶりに更新させてくれた相棒、METASPEED SP 2の実力を、他社製厚底スパイクとの比較を交えて赤裸々にレビューします。
突き抜ける反発。FF BLAST TURBOの衝撃
このスパイクの心臓部は、ミッドソールに搭載された「FF BLAST TURBO」です。アシックスの最軽量かつ最高反発のフォーム材が、足裏全体にこれでもかと詰め込まれています。
実際に100mの直線を走ってみると、接地の瞬間に「グニュッ」と沈み込む感覚の直後、目にも止まらぬ速さで「パンッ!」と跳ね返されます。このレスポンスの速さは、前作のメタスピード SPよりもさらに研ぎ澄まされており、ピッチを上げてもフォームが崩れない安定感がありました。
前作(SP)から何が変わったのか?
最も大きな違いは、アッパーのホールド感とピン配置の最適化です。前作ではコーナーリング時に少し足が遊ぶような感覚がありましたが、METASPEED SP 2のモーションラップアッパーは、まるで素足の一部になったかのように吸い付きます。
また、カーボンプレートの硬度が調整されたのか、後半の失速を防ぐ「転がるような推進力」が格段に増しています。
宿命の対決:マックスフライとの比較
誰もが気になるナイキ エア ズーム マックスフライとの違いについても触れておきましょう。
- マックスフライ: エアーのバネ感が強く、トランポリンの上を走っているような独特の浮遊感がある。
- メタスピード SP 2: フォームの弾力とカーボンのしなりによる「面」での反発。よりダイレクトに地面の力を推進力に変えている感覚が強い。
パンクのリスクを考慮しなくて良い安心感も含め、日本のクレー、タータンを走る選手にとってはASICSに軍配が上がると感じました。
失敗しないサイズ選びのポイント
ASICSのスパイクは、海外ブランドに比べて日本人の足型(ラスト)にフィットしやすいのが特徴です。
私は普段のランニングシューズで27.0cmを履いていますが、このメタスピード SP 2も27.0cmでジャストでした。厚底スパイクはアッパーの伸びが少ないため、少しでもキツいと感じるなら無理をせず、普段通りのサイズか、0.5cmアップを検討することをお勧めします。
総評:100m・200mで頂点を目指すなら
METASPEED SP 2は、決して「楽をさせてくれる靴」ではありません。しかし、高い反発をコントロールできる技術があれば、これほど心強い武器は他にないでしょう。
特に、後半の足の回転が落ちてしまうストライド型の選手や、100m 10秒台を狙うシリアスランナーには、ぜひ一度この「弾丸のような一歩」を体感してほしいです。
あなたの足元に、日本が誇る究極のテクノロジーを。次回の記録会で電光掲示板に並ぶ数字が、きっと変わるはずです。


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