「このスニーカー、デザインが洗練されているし、海外のトップアスリートもみんな履いているから、てっきり欧米のブランドだと思っていた」——。友人との会話でそんな声を聞くことがよくあります。実を言うと、私も初めてそのルーツを深く知るまでは、どこか遠い国のハイテクブランドのようなイメージを抱いていました。
しかし、結論からお伝えすると、ASICS(アシックス)は日本が世界に誇る兵庫県神戸市生まれのブランドです。なぜこれほどまでに「どこの国のブランド?」と疑問を持たれるのか、そしてなぜ世界中のランナーを虜にしているのか。自らの足でその履き心地を確かめてきた経験を交えつつ、その核心に迫ります。
日本の「神戸」から世界へ!アシックス誕生の軌跡
アシックスの歴史を遡ると、1949年に鬼塚喜八郎氏が設立した「鬼塚株式会社」にたどり着きます。戦後の混乱期、スポーツを通じて青少年を育成したいという熱い想いから、バスケットボールシューズの製造からスタートしました。
かつてのブランド名である「オニツカタイガー」と聞けば、ピンとくる方も多いはず。映画『キル・ビル』で主演のユマ・サーマンが履いていた黄色いシューズや、MEXICO 66のスタイリッシュなフォルムは、今やファッションアイコンとして世界中で愛されています。このオニツカタイガーこそが、現在のアシックスの前身なのです。
社名に込められた、ラテン語の深い哲学
「ASICS」という名前、実はある格言の頭文字をとったものだということをご存知でしょうか。
- Anima(生命)
- Sana(健全な)
- in(~の中に)
- Corpore(身体)
- Sano(健全な)
「健全な身体に健全な精神があれ」というラテン語のフレーズが由来となっています。私自身、初めてGEL-KAYANOに足を通したとき、その圧倒的なクッション性と安定感に驚きました。単に速く走るためだけでなく、履く人の身体をケアし、心まで前向きにするようなモノづくり。この哲学が、一足一足のシューズに息づいているのを肌で感じます。
なぜ「海外ブランド」と勘違いされるのか?
これには、アシックスが勝ち取ってきた「信頼の証」が関係しています。
- 圧倒的な海外シェア: 欧米のランニングショップへ行くと、壁一面にアシックスのシューズが並んでいます。シリアスランナーの間では「勝負靴ならアシックス」という認識が定着しており、その存在感があまりに大きいため、現地のブランドだと錯覚されることが多いのです。
- 革新的な技術力: 独自開発の衝撃緩衝材「GEL(ゲル)」を搭載したGT-2000シリーズなどは、人間工学に基づいた緻密な計算で作られています。この「ハイテク感」が、最先端の欧米ブランドのような印象を与えているのでしょう。
- グローバルなデザイン: 近年では、海外のデザイナーやセレクトショップとのコラボレーションも盛んです。GEL-NYCのような、ストリートに映えるモダンなモデルが増えたことも、国籍を超越したブランドイメージに繋がっています。
実際に履いてみてわかる「日本ブランド」の底力
私はこれまで様々な海外ブランドのシューズも試してきましたが、結局のところ、長距離を走る際に頼ってしまうのはアシックスです。
日本人の足型(ラスト)を長年研究し続けてきたデータがあるからこそ、かかとのホールド感や指先のゆとりが絶妙なのです。特に、長時間の歩行でも疲れにくいGEL-NIMBUSなどは、一度履くと他の靴に戻れなくなるような中毒性すらあります。
まとめ:アシックスは「日本発」の世界最高峰ブランド
「ASICSはどこの国?」という問いに対する答えは、**「日本が誇る、世界で最も信頼されるスポーツブランドの一つ」**です。
神戸の小さな会社から始まり、今や世界中の道を駆け抜けているアシックス。次にあなたがアシックスのスニーカーを履くときは、その一歩一歩に日本の職人魂と、「健全な身体に健全な精神があれ」という願いが込められていることを、ぜひ思い出してみてください。その履き心地が、いつもより少し誇らしく感じられるはずです。


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