「ジムカーナやラリーで勝てるタイヤはどれか?」と問われれば、今なら迷わずDIREZZA 94Rを候補の筆頭に挙げます。モータースポーツの世界において、コンマ一秒の差は機材選びで決まると言っても過言ではありません。私自身、数々のサーキット走行やクローズドコースでのタイムアタックを繰り返す中で、このタイヤが持つ「異次元の剛性感」と「裏切らないグリップ」には何度も助けられてきました。
今回は、実際にダンロップの競技用フラッグシップであるDIREZZA 94Rを履き潰し、限界まで攻め込んだからこそ見えてきた真実のレビューを、忖度なしでお届けします。
圧倒的なトレッド剛性が生む「手応え」
DIREZZA 94Rを装着してコースインし、最初のコーナーに飛び込んだ瞬間に感じるのは、ステアリングを通して伝わる情報の濃密さです。一般的なハイグリップタイヤが、たわみを利用してグリップを稼ぐ感覚なのに対し、94Rはまるで路面とタイヤが噛み合っているような、硬質でダイレクトな手応えを返してきます。
非対称パターンの外側ブロックが非常に強固なため、強烈な横Gがかかる高速コーナーでも腰砕け感が一切ありません。狙ったラインをミリ単位でトレースできるこの感覚は、一度味わうと病みつきになります。
コンパウンド選択が勝敗を分ける
このタイヤを語る上で欠かせないのが、コンパウンドの使い分けです。
- S1(ソフト): 走り出しの一歩目から強烈な粘りを発揮します。冬場のタイムアタックや、タイヤを温める余裕のないショートステージでは最強の武器になります。ただし、夏場の連続周回では熱ダレが顔を出すため、一発勝負に特化した性格と言えます。
- M21(ミディアム): 中・高温域での安定感が抜群です。連続して負荷がかかるシチュエーションでもグリップが垂れにくく、最後まで自信を持ってアクセルを踏み抜けます。
ライバル他社と比較してどうなのか
多くのユーザーが悩むのが、ヨコハマのADVAN A052やブリヂストンのPOTENZA RE-12Dとの比較でしょう。
個人的な体感として、A052は誰が履いてもタイムが出る「懐の深さ」がありますが、94Rはより「攻めるドライバーの意志」に忠実なタイプ。縦の制動力は94Rに軍配が上がる場面が多く、フルブレーキングからのターンインで車体の姿勢をコントロールしやすいのが最大の特徴です。
摩耗性能とコストのリアル
「競技用タイヤはすぐに無くなる」というイメージがありますが、DIREZZA 94Rのライフは意外にも健闘しています。もちろん、ブロックが飛ぶようなハードな使い勝手では摩耗は進みますが、グリップの「美味しい時期」が長く続く印象です。溝が減ってきても極端な特性変化が少ないため、練習用としても最後まで使い切れる点は、コストパフォーマンスを重視するサンデーレーサーにとって大きなメリットと言えるでしょう。
総評:一秒を削るための「究極の道具」
DIREZZA 94Rは、万人向けの快適なタイヤではありません。ロードノイズは大きく、乗り心地も決して褒められたものではないでしょう。しかし、チェッカーフラッグが振られるその瞬間、ライバルよりも前にいたいと願うなら、これほど心強い相棒はいません。
あなたのドライビングスタイルが「タイヤに頼る」のではなく「タイヤを操る」ものなら、迷わずダンロップのこの黒い円盤を試してみてください。次の走行会で、自己ベストを更新した自分の姿に驚くはずです。
こちらの記事内容について、具体的なサイズラインナップ表の追加や、特定の車種に絞ったセッティング例の追記などは必要でしょうか?


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