「サーブのトスを上げた瞬間に腰がズキッとする」「後半戦になると腰が重くて足が動かない」——。テニスを愛する人にとって、腰痛は単なる怪我ではなく、プレーの質を左右する切実な悩みです。
私自身、週末の草トーナメントで無理を重ね、一時は朝ベッドから起き上がるのも苦労するほどの重い腰痛に悩まされました。しかし、テニスの動作特性を理解し、道具やケアを見直したことで、今では以前よりも深い捻転でボールを叩けるようになっています。
この記事では、医学的な一般論だけでなく、実際に私がコート上で試行錯誤して辿り着いた「テニス腰痛」の解決策を体験談ベースで詳しく解説します。
なぜテニスは「腰」を壊しやすいのか?
テニスは非常に過酷なスポーツです。特に腰にかかる負担は、他の競技と比べても特殊です。
- 非対称な捻じれ運動: フォアハンドのフルスイング、バックハンドの踏み込み。テニスは常に左右非対称な回転運動を繰り返します。片側の筋肉だけが過度に緊張し、骨盤の歪みから痛みが生じやすくなります。
- サーブ時の過伸展(反り腰): トスアップからインパクトにかけて、腰を弓なりに反らせる動作。これが椎間板や関節に大きな圧縮ストレスを与えます。
- ハードコートの衝撃: クレーコートと違い、ハードコートは地面からの衝撃がダイレクトに脊椎へ伝わります。
道具選びで変わる腰へのインパクト
「腰痛は技術の問題」と思われがちですが、実は道具の変更だけで劇的に楽になることがあります。私が身をもって体験したポイントは2つです。
1. ラケットとガットのセッティング
以前は競技者モデルの硬いラケットに、ポリエステルガットを高いテンションで張っていました。しかし、これが腰に響く振動の元凶でした。
少しフレームのしなりがあるモデルに変え、ガットをテクニファイバー X-ONE BIPHASEのようなナイロンマルチに変更したところ、インパクト時の不快な衝撃が激減し、長時間の練習でも腰の張りが抑えられるようになりました。
2. インソールの重要性
テニスシューズ選びも大切ですが、それ以上に「中身」が重要です。私は標準のインソールを捨て、スーパーフィート(SUPERfeet)などのアーチサポートがしっかりしたインソールを導入しました。足元が安定すると、無理に腰でバランスを取る必要がなくなり、スイング後のふらつきが解消されます。
プレー前後の「ルーティン」が命運を分ける
「コートに着いてすぐ打ち始める」のは、腰痛持ちにとっては自殺行為です。私が現在徹底している、痛みを再発させないためのルーティンを紹介します。
動的ストレッチ(練習前)
いきなり座って前屈をするのではなく、股関節を回す、肩甲骨を動かすといった「動的ストレッチ」を10分行います。特に股関節が硬いと、その分を腰が代償して動こうとするため、股関節の可動域を広げておくことは必須です。
段階的なサーブ練習
いきなり全力でフラットサーブを打つのはやめましょう。まずは膝の屈伸を使い、腰を反らさずに手首のプロネーションだけで打つ練習から始め、徐々に全身を連動させていきます。
アイシングとリカバリー(練習後)
プレー後は、痛みがなくてもアイシングバッグで腰を15分ほど冷やします。これにより微細な炎症を抑えることができます。また、自宅ではトリガーポイント フォームローラーを使用して、腰そのものではなく「お尻(臀部)」と「太もも」を徹底的にほぐします。腰痛の真の原因は、実はガチガチに固まったお尻にあることが多いからです。
技術的な意識改革:腰を「回す」のではなく「入れ替える」
腰痛に苦しんでいた頃の私は、無理に腰をひねってパワーを出そうとしていました。しかし、プロのコーチから教わったのは「腰は回すのではなく、股関節を入れ替えるイメージ」という感覚です。
下半身のパワーを体幹を通じてラケットに伝える際、腰を支点にするのではなく、右足から左足への体重移動をスムーズに行う。この意識に変えてから、腰へのピンポイントな負荷が消え、ショットの威力も安定しました。
まとめ:痛みと向き合い、長くテニスを楽しむために
テニスによる腰痛は、「もう若くないから」と諦める必要はありません。
- 自分のレベルと体力に合ったテニスラケットやガットを選ぶ。
- 股関節の柔軟性を高め、腰への負担を分散させる。
- プレー後のリカバリーを怠らない。
これらを意識するだけで、テニスライフは劇的に快適になります。もし今、痛みを感じているなら、一度立ち止まって自分の体と道具を見直してみてください。適切なアプローチさえ見つかれば、また全力でコートを駆け回れる日が必ず来ます。
次は、あなたのバックハンドがもっと自由に、痛みなく振り抜けるようになることを願っています。
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