「最近、どうもラケットが手の中で遊ぶ気がする」「インパクトの瞬間に妙な振動が伝わってくる」……。もしあなたがそう感じているなら、それはストリングのせいではなく、リプレイスメントグリップ(元グリップ)の寿命かもしれません。
多くのプレーヤーがオーバーグリップを巻き替えるだけで済ませてしまいますが、実はラケットと手の唯一の接点である「土台」を整えることこそ、上達への近道です。今回は、年間100本以上のグリップ交換を行い、あらゆる素材を試してきた私の実体験をもとに、後悔しないリプレイスメントグリップの選び方と、プロ級の仕上がりを実現する巻き方の極意をお伝えします。
なぜオーバーグリップの交換だけでは不十分なのか?
リプレイスメントグリップは、ラケットのカーボンハンドルを保護し、衝撃を吸収する重要な役割を担っています。しかし、長年使い込むと中のクッションが潰れ、素材が硬化してしまいます。
私自身、以前は「上に新しいオーバーグリップを巻けば同じだろう」と考えていました。しかし、いざ数年ぶりに元グリップを剥がしてみると、そこには加水分解でボロボロになったスポンジが。これをウィルソン プレミアムレザーに交換した瞬間、指先に伝わる情報の解像度が劇的に上がり、ボレーのタッチが見違えるほど良くなったのです。土台が腐っていては、どんなに良い上辺のグリップを巻いても意味がありません。
失敗しない!素材別・体験的選び方のポイント
リプレイスメントグリップ選びで迷ったら、まずは自分が「何を重視したいか」を明確にしましょう。
1. 「打球の情報」をダイレクトに感じたいならレザー一択
角(ベベル)がハッキリと指に伝わるため、グリップチェンジのミスが減ります。私はフェアウェイ レザーグリップを愛用していますが、使い込むほどに手に馴染む感覚は、合成樹脂タイプでは決して味わえません。ただし、少し重くなるためラケットのバランスが変わる点には注意が必要です。
2. 「快適さと衝撃吸収」を求めるならクッション系
肘や手首への負担を減らしたいなら、厚みのある合成タイプがベストです。バボラ シンテックプロなどは、適度な粘着性とクッション性のバランスが絶妙で、長時間のプレーでも握力が落ちにくいと感じます。
3. 「とにかく薄く、細くしたい」なら極薄タイプ
手の小さい方や、今のグリップサイズが少し太いと感じる方は、プリンス レジプロのような薄手のものを選ぶと、操作性が驚くほど向上します。
実践:プロ級に仕上げる「シワを出さない」巻き方のコツ
リプレイスメントグリップの交換は、実はちょっとしたコツで仕上がりに差が出ます。
- 古いノリを完璧に除去する:古いグリップを剥がした後、ハンドルに残ったベタベタを放置していませんか?私は必ず市販のシール剥がしやアルコールで拭き取ります。ここをサボると、新しいグリップに凹凸が出てしまいます。
- スタートの「角度」が命:エンドキャップの角に合わせて、グリップの先端(斜めにカットされている部分)を慎重に合わせます。最初の一周をいかに隙間なく、かつ重なりすぎずに巻けるかで、その後の美しさが決まります。
- 常に一定のテンションをかける:合成グリップの場合は、少し引っ張りながら巻くのがコツです。緩むとプレー中にズレてきます。逆にレザーは伸びにくいので、力任せに引かず、角に沿わせるように密着させていきます。
- 最後は「斜めカット」で美しく:巻き終わりはハサミで斜めにカットし、付属のテープで止める前にビニールテープ 黒で一度下止めをすると、強度が格段に増します。
まとめ:グリップが変われば、テニスが変わる
リプレイスメントグリップの交換は、テニスギアのメンテナンスの中でも最も「コスパの良い投資」だと確信しています。数千円の投資と20分ほどの作業で、ラケットを購入したときのような(あるいはそれ以上の)フィット感が手に入るのです。
もし今、あなたのラケットのグリップが平坦に感じたり、角が丸くなっているなら、ぜひ一度剥がしてみてください。新しいグリップでコートに立ったとき、自分の手のひらがラケットの一部になったような一体感に驚くはずです。
まずは、自分のプレースタイルに合った一本を手に入れることから始めてみましょう。


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