テニスの試合中、いいサーブが入ったと思った瞬間に「レット!」と声をかけられ、ガッカリした経験はありませんか?あるいは、隣のコートからボールが転がってきて、プレーを止めるべきか迷ったことはないでしょうか。
「レット」は単なるやり直しではなく、試合の公平性と安全を守るための大切なルールです。今回は、初心者から初中級者の方が迷いがちなレットの定義から、実際の試合で役立つ「阿吽の呼吸」まで、私の実体験を交えて詳しく解説します。
そもそもテニスの「レット」って何?
レット(Let)とは、一言で言えば「そのポイントをノーカウントにして、やり直すこと」を指します。語源は「Let’s play again」から来ているという説もあり、テニス用語の中でも特に出番の多い言葉です。
よくある勘違いとして「ネットに当たること=レット」と思われがちですが、正しくは「特定の条件下でプレーが妨げられた際に、審判(またはセルフジャッジの選手)が宣言するもの」を指します。
1. 最も頻繁に起こる「サービス・レット」
サーブを打ったボールがネットの縁(ネットテープ)に当たり、そのまま相手の有効なサービスエリアに入った場合、これは「サービス・レット」となります。
体験談:サービス・レットの落とし穴
私が初心者の頃、サービス・レットは「1回休み」のようなものだと思い込んでいました。しかし、ルールはシンプルです。
- 1本目のサーブがレットなら: もう一度1本目から(ファーストサーブ)。
- 2本目のサーブがレットなら: もう一度2本目から(セカンドサーブ)。
たまに「レットは3回でダブルフォルト」というローカルルールを信じている方がいますが、公式ルールではレットに回数制限はありません。納得いくまで(?)、何度ネットをかすめて入ってもやり直しです。
また、試合中に集中していると、ボールがネットに触れた「カチャッ」という小さな音を聞き逃しがちです。プロの試合のようなセンサーはありませんから、セルフジャッジではお互いの「正直な耳」が頼りになります。
2. 意外と知らない「プレー中断のレット」
サーブ以外でも、プレー中にレットがかかるケースは多々あります。これを知っているかどうかで、試合の有利・不利が変わることもあります。
隣のコートからボールが乱入してきた時
これが最も多いケースです。隣のコートからボールが転がってきたら、すぐに大きな声で「レット!」と言い、プレーを止めましょう。
【私の失敗談】
以前、足元にボールが転がってきたのに「今、自分が攻めているから!」と欲を出してプレーを続行したことがあります。結果、足を取られて転倒しそうになり、ミスショット。後から「今のレットですよね?」と言っても、プレーを続行した後は認められないのが原則です。危険を感じたら、その瞬間に止める。これが鉄則です。
持ち物が落ちた時
帽子やポケットの中のスペアボールがコートに落ちてしまった場合、最初の1回はレットとしてやり直してくれます。しかし、2回目に落とした時は「相手の妨害」とみなされ、失点になることがほとんどです。
テニスウェアを選ぶ際は、ポケットの深いものや、激しく動いても落ちない帽子を選ぶのが、無用な失点を防ぐコツですね。
3. 「レット」をコールする時のマナーとコツ
セルフジャッジの試合では、コールが遅れるとトラブルの元になります。
- 声は大きく、ハッキリと: 相手がストロークに集中していると、小さな声では聞こえません。「レット!」と叫びながら、ラケットや手を挙げて合図するのが最も親切です。
- タイミングが命: 妨害が起きた瞬間にコールするのがルールです。ポイントが終わってから「実はさっきのラリー中に…」と言うのはマナー違反です。
- 迷ったらやり直しの精神: 「今のはレットかな?」と両者が顔を見合わせるような微妙な空気になった時は、お互いのスポーツマンシップに則り、速やかにレットとしてやり直すのが、その後の試合の雰囲気を良くする秘訣です。
まとめ:レットをマスターして試合を楽しもう
テニスのレットは、プレーヤー全員が安全に、そして公平にプレーするために不可欠な仕組みです。
- サーブがネットに当たって入ったら、そのサーブをやり直す。
- 外部からの邪魔(ボールの乱入など)があったら、即座にコールしてポイント全体をやり直す。
- 安全第一!迷わず声を出す。
これさえ押さえておけば、試合中にパニックになることはありません。ルールを味方につけて、より深くテニスを楽しんでくださいね。
もし、試合中のジャッジに不安があるなら、テニスルールブックを一冊バッグに忍ばせておくと、休憩時間にサッと確認できて安心ですよ。


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