サーキットに足を運ぶサンデーレーサーにとって、タイヤ選びはタイム短縮と同じくらい頭を悩ませる「楽しみ」のひとつではないでしょうか。なかでもダンロップ DIREZZA ZIIIは、ハイグリップラジアルの代名詞として長く君臨しています。
私自身、これまで数々のスポーツタイヤを履き潰してきましたが、DIREZZA ZIIIに履き替えた瞬間の、あの「路面に爪を立てるような感覚」は今でも忘れられません。今回は、実際にサーキットやワインディングで使い倒して分かったリアルな体感をもとに、このタイヤの真価を掘り下げます。
圧倒的な「発熱の速さ」がもたらす安心感
ダンロップ DIREZZA ZIIIの最大の武器は、走り出しからすぐにグリップが立ち上がる発熱の速さです。気温の低い冬場の早朝、1周目の第1コーナーから「あ、いける」と思わせてくれる信頼感は、他のタイヤではなかなか味わえません。
旧モデルと比較しても、新コンパウンドの採用により限界域での粘りが一段と増しています。特にタイトコーナーでのターンイン。ステアリングを切った分だけ鼻先がスッと入り、荷重移動が未熟な初心者でもタイヤがしっかり仕事を補填してくれる感覚があります。
摩耗と寿命:ハイグリップゆえの宿命か?
気になるライフ性能ですが、正直に言えば「お財布に優しい」とは言い切れません。サーキットでの連続走行を重ねれば、ショルダー部はそれなりに削れていきます。しかし、DIREZZA ZIIIが優秀なのは、摩耗が進んでもグリップの「質」が極端に落ちない点です。
溝が減ってきた終盤でも、熱ダレによるズルズルした滑り出しが緩やかで、コントロールしやすさが持続します。街乗りを併用する場合、日常のロードノイズは確かに賑やかですが、雨天時の排水性もこのクラスとしては優秀。突然のゲリラ豪雨でも、ハイドロプレーニング現象に怯えることなく帰路につける実用性を備えています。
ライバルとの比較で見える「立ち位置」
ブリヂストン POTENZA RE-71RSと比較すると、あちらが「一発の絶対的なタイム」を狙う超攻撃型だとするなら、DIREZZA ZIIIは「安定した周回と扱いやすさ」に軸足を置いたバランス型と言えます。
また、ヨコハマタイヤ ADVAN NEOVA AD09と比べると、DIREZZA ZIIIの方がケース剛性を活かしたダイレクトな手応えを感じやすく、より「対話している感」が強いのが特徴です。
結論:どんなドライバーに履いてほしいか
「タイムは追求したいけれど、限界を超えた時の挙動が怖い」
「一本のタイヤで街乗りからサーキットまで、バランスよく楽しみたい」
そんなワガママな願いを高い次元で叶えてくれるのがダンロップ DIREZZA ZIIIです。一度この路面を掴む快感を覚えてしまうと、もう普通のタイヤには戻れないかもしれません。
次は、あなたの愛車にDIREZZA ZIIIを装着して、自己ベストを更新する快感を味わってみませんか?


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