テニスを始めてしばらく経ち、スクール外のオフ会や試合に興味を持ち始めると必ずぶつかる壁があります。それが「あなたのレベル(NTRP値)はいくつですか?」という問いです。
私も初めてテニスオフに申し込もうとした際、自己評価で「中級くらいかな」と思って参加したところ、周りが猛者ばかりで手も足も出ず、申し訳ない思いをした苦い経験があります。逆に、控えめに申告しすぎて物足りない思いをすることもあります。
こうしたミスマッチを防ぎ、自分にぴったりの環境でテニスを楽しむために不可欠な「NTRP値」について、実体験を交えながら深掘りしていきます。
そもそもNTRP値とは何か?
NTRP(National Tennis Rating Program)は、全米テニス協会が考案したテニスの習熟度を示す世界共通の指標です。1.0(初心者)から7.0(プロレベル)までの数値で表されます。
日本国内では、テニスベアなどのコート予約・マッチングアプリや、市民大会のクラス分けの基準として広く普及しています。この数値を知ることは、単なる格付けではなく「自分の現在地を知るためのコンパス」を持つことと同じです。
【レベル別】体験から語るNTRP値のリアルな境界線
教科書通りの説明ではなく、実際にコートで感じる「各レベルの手応え」を整理しました。
NTRP 2.5〜3.0:テニスが「競技」に変わる瞬間
このレベルは、基礎的な打ち方をマスターし、ラリーがようやく続くようになる段階です。
- 現場のリアル: 練習では上手く打てても、試合になると途端に足が止まります。「ダブルフォルトで1ゲーム落とす」のは日常茶飯事。私もこの頃は、相手のボールに追いつくことだけで精一杯で、テニスシューズの重要性を身をもって知りました。安価な運動靴では踏ん張りが効かず、捻挫しかけたのも良い思い出です。
NTRP 3.5〜4.0:最も人口が多く、差が激しい「中級の壁」
多くの週末プレーヤーがここに属します。安定したストロークに加え、ボレーやスマッシュなどのネットプレーが混じり始めます。
- 現場のリアル: 4.0になると「配球」を考え始めます。ただ返すだけでなく、相手のバックハンドを攻める、短いボールをアプローチしてネットに出る、といった戦略が機能し始めます。この時期、私はテニスラケットを「初心者の頃から使っていた軽いモデル」から「300g前後の競技モデル」へ買い替えました。道具を変えたことで打ち負けなくなり、一気に4.0の仲間入りができたと感じています。
NTRP 4.5〜5.0:一般プレーヤーの到達点
市民大会の上位入賞常連レベルです。ショットの威力はもちろんですが、何より「ミスをしない能力」と「ピンチでのリカバリー」が桁違いです。
- 現場のリアル: 4.5以上のプレーヤーと対峙すると、こちらの甘いボールはすべてチャンスボールとして叩かれます。特にテニスガットの劣化に敏感な人が増え、常に最適な打感を求めてロール買いをするような、いわゆる「テニス沼」にどっぷり浸かっている層です。
自分のNTRP値を正確に診断する3つのステップ
自己評価は得てして甘くなりがちです。客観的な数値を導き出すためのステップをご紹介します。
- 「8回ラリー」ができるかチェックする自分と同じくらいのレベルの人と、中速のボールで8回以上、狙ったコース(クロスなど)に安定して打ち続けられるか。これが3.5〜4.0の最低ラインです。
- 試合のリザルトを直視する草トーナメントの「初級」「中級」に出場し、1回戦負けが続くならそのクラスの数値に達していない可能性があります。逆に優勝できるなら、迷わず0.5上のレベルへ特攻すべきです。
- ガジェットの数値を取り入れる最近はスマートウォッチなどでスイング速度や回転数を計測できます。自分の感覚という曖昧なものに、こうした物理的なデータを加味すると、より説得力のある自己分析が可能になります。
0.5上のレベルへ行くために私がやったこと
私は長い間3.5で停滞していました。そこから4.0へ、そして4.5を伺う位置まで行けたのは、練習内容を変えたからです。
- 「強打」を捨てて「深さ」を取った: バコバコ打ってエースを取る快感よりも、ベースライン深くへ粘り強く返す練習を徹底しました。
- コンディション管理の徹底: 週末に最高のパフォーマンスを出すため、フォームローラーでの筋膜リリースを習慣化しました。体が動くようになると、自然と予測の一歩が早くなります。
まとめ:数値は「楽しむため」の指標
NTRP値に一喜一憂しすぎる必要はありません。しかし、自分のレベルを正確に把握することで、実力の近い仲間と質の高い時間を過ごせるようになり、結果として上達も早まります。
もし、今の自分のレベルに疑問を感じているなら、一度テニス練習機などを使って基本フォームを見直しつつ、勇気を出して一つ上のレベルのオフ会に飛び込んでみてください。そこでの「ボコボコにされる体験」こそが、あなたのNTRP値を引き上げる最大のスパイスになるはずです。


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