「そろそろタイヤを買い替えようかな」とダンロップのタイヤを眺めていた時、ふと目に飛び込んできた「89H」や「89V」といった謎の数字。あなたは今、その正体を突き止めようとしているのではないでしょうか。
実は、この「89」という数字、タイヤ選びにおいて「燃費」や「グリップ」と同じくらい、いや、それ以上に重要な「命を守る数字」なのです。今回は、私自身が過去にタイヤの荷重指数(ロードインデックス)を軽視してヒヤッとした経験を交えながら、失敗しないタイヤの選び方を深掘りしていきます。
そもそも「89」って何を指しているの?
結論から言うと、この「89」という数字は**ロードインデックス(荷重指数:LI)**と呼ばれるものです。
そのタイヤ1本が、規定の条件下で最大何kgの重さに耐えられるかを示しています。一覧表で見ると、ロードインデックス「89」が支えられる最大荷重は580kg。車は4輪で支えているので、$580 \times 4 = 2,320\text{kg}$ までが理論上の限界値ということになります。
以前、私が愛車のミニバンに適合するタイヤを探していた際、「サイズさえ合っていれば何でもいいだろう」と安易に考えていました。しかし、この数値を間違えると、タイヤのたわみが激しくなり、高速道路での安定性が著しく低下するだけでなく、最悪の場合はバースト(破裂)を招く危険があることをプロの整備士に教わり、背筋が凍る思いをしたことがあります。
なぜ「89」を無視してはいけないのか?
エナセーブやル・マンなど、ダンロップの人気モデルにはこの「89」という設定が多く存在します。ここを間違えてはいけない理由は大きく分けて2つあります。
1. 車検に通らなくなる可能性がある
車には、メーカーが指定した「最低限必要なロードインデックス」が決まっています。例えば純正タイヤが「89」だった場合、それよりも低い「87」などのタイヤを装着していると、検査員から「安全性に欠ける」と判断され、車検をパスできないことが多々あります。
2. タイヤの寿命を縮め、事故のリスクを高める
耐荷重が足りないタイヤを履き続けるのは、細い脚で重い荷物を背負い続けるようなもの。常に過度な負荷がかかるため、タイヤが異常に発熱し、内部構造がダメージを受けます。私が以前、偏摩耗に悩まされていた原因も、実はこの荷重指数のミスマッチによる空気圧設定のミスでした。
失敗しないための「89」タイヤの選び方
タイヤを新調する際は、以下のステップを必ず踏んでください。
- ドア付近のステッカーを確認する: 運転席側のドアを開けたところに、純正サイズと指定ロードインデックス、そして指定空気圧が必ず記載されています。
- 「89」以上を選ぶ: 現在の数値が「89」なら、基本的には「89」以上の数値を選びましょう。数値が上がる分には安全マージンが増えるため問題ありません。
- 規格(XL/RFD)に注意: 最近増えているビューロなどの高性能タイヤには、同じ「89」でも「エクストラロード(XL)規格」というものがあります。これは通常のタイヤより高い空気圧を充填することで高い荷重に耐えられる設計です。見た目の数値が同じでも、指定空気圧が変わるため注意が必要です。
まとめ:その「89」がドライブの安心を支えている
タイヤは地面と接している唯一のパーツです。ダンロップのタイヤに刻まれた「89」という数字は、メーカーがテストを重ねて導き出した「安心の証明」でもあります。
ネット通販で安く買える時代だからこそ、スペック表の隅にあるこの2桁の数字に目を光らせてみてください。自分と家族の命を乗せて走るタイヤ選び。少しの知識が、大きな安心に繋がります。
次回のタイヤ点検時には、ぜひ自分のタイヤのサイドウォールを指でなぞって「89」の文字を探してみてくださいね。


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