「ラケットはこだわって選んだけど、ガットはショップのお任せ」……そんな方も多いのではないでしょうか。しかし、テニスにおいてボールに直接触れるのはガットだけ。実はラケット以上に、打球感やコントロール性能を左右する「エンジン」のような存在です。
この記事では、数多くのガットを自ら試し、季節や体調に合わせて張り替えてきた私の体験談を交えながら、2026年現在の最適な選び方を解説します。
1. 【種類別】テニスガットの特徴とメリット・デメリット
まずは、自分にどの素材が合っているかを知ることから始めましょう。
ナイロンガット(モノ・マルチ)
初心者はまずここからスタートするのが正解です。
- メリット: 柔らかく、体への衝撃が少ない。少ない力でもボールが飛んでくれる。
- デメリット: 耐久性が低く、激しく打つとすぐに切れてしまう。
- 代表的な商品: X-ONE BIPHASE、XR3、XCEL
ポリエステルガット
競技者や部活生など、スイングスピードが速いプレイヤー向けです。
- メリット: スピンが非常にかかりやすく、思い切り振ってもコートに収まる。耐久性が高い。
- デメリット: 硬いため肘や手首への負担が大きい。性能の劣化(伸び)が早い。
- 代表的な商品: ポリツアーレブ、RPMブラスト、ポリツアープロ、ALU POWER
ナチュラルガット
牛の腸を使用した最高級品です。
- メリット: 他の素材では味わえない究極のホールド感と反発力。テンション維持率が非常に高い。
- デメリット: 価格が非常に高く、湿気に弱い。
2. 【体験談】私が実際に使って感じた「ポリエステルとナイロン」の決定的違い
私が以前、ポリツアープロからXR3(ナイロン)に張り替えた際、最初に感じたのは「手応えの軽さ」でした。
ナイロンに変えて気づいたこと
ナイロンはとにかく楽です。守備に回らされた時、手首のスナップだけで深く返せるアシスト感に何度も助けられました。また、私は冬場に肘を痛めやすいのですが、ナイロンに変えてからは不快な振動が消え、翌日の痛みが劇的に改善しました。
それでもポリエステルに戻した理由
一方で、試合に出るようになるとポリエステルの必要性を痛感しました。フルスイングした際、ナイロンだとボールが飛びすぎて「アウトかな?」と思ったボールが、ポリツアーレブのような多角形ポリだとギュンと落ちてベースライン際で収まってくれるのです。
「楽をしたいならナイロン、攻めたいならポリ」。これが私の結論です。
3. 寿命のリアル:切れていなくてもガットは「死ぬ」
「ガットが切れるまで張り替えない」というのは、実は上達を妨げる大きな原因になります。
- ポリエステルの寿命: 約2週間〜1ヶ月。体験上、4Gのようなテンション維持に定評があるモデルでも、1ヶ月を過ぎると打感が「ボヤける」感覚になります。ボールが急に抜けたり、スピンがかからなくなったら寿命のサインです。
- ナイロンの寿命: 約2ヶ月〜3ヶ月。表面が毛羽立ってきたり、ガット同士がズレて戻らなくなったら替え時です。
劣化に無頓着な人で、本当にテニスが上手い人は見たことがありません。道具を常にベストな状態に保つことが、ショットの安定に直結します。
4. テンション(張りの強さ)で迷った時の処方箋
「ポンド数」は、その日の気温や自分のスイングに合わせて微調整するのが理想的です。
- 低め(40〜48ポンド): とにかくボールを飛ばしたい、ホールド感(球持ち)を重視したい人向け。私が30ポンド台で試した時は、スピンは非常によくかかりましたが、ボレーなどの細かいタッチが難しく感じました。
- 高め(52〜60ポンド): パワーがありすぎてボールを抑え込みたい人向け。打球音が高くなり、シャープな弾きを感じられますが、芯を外すと衝撃がダイレクトに来ます。
**迷ったら「48ポンド」か「50ポンド」**を基準にし、そこから「もう少し飛ばしたいか、抑えたいか」で2ポンドずつ上下させるのが失敗しないコツです。
5. まとめ:あなたにぴったりの1本は?
- 快適さと怪我予防を重視: X-ONE BIPHASE
- 圧倒的なスピンとコントロール: ポリツアーレブ
- 迷っている初心者の第一歩: XR3
ガット選びはテニスの楽しみの一つです。今のセッティングに少しでも違和感があるなら、思い切って違う種類やテンションを試してみてください。その一歩が、あなたのテニスを劇的に変えるかもしれません。


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